先週、ネットワークを席巻したビットコイン・オーディナル(Bitcoin Ordinal)の熱狂はおさまったようだ。メモリプール(Mempool:トランザクション確認前の待機領域)は平常に戻りつつある。
先週、暗号資産空間は熱気で沸き立ち、オーディナル(satoshiに記されるデジタル資産、NFTに類似)がビットコインネットワークにあふれかえった。バレンタインデーには、10万番目のオーディナルが記され、アクティビティはピークに達した。
オーディナル・インスクリプション(Ordinal Inscriptions)とは、非代替性トークン(NFT)に似たデジタル資産のこと。ビットコインの最小額である1サトシ(satoshi)に記すことができる。
インスクライビング(Inscribing)は、ビットコイン・トランザクションの署名領域(witness)に、保存されたコンテンツデータを書き込むことである。witnessは、2017年のSegWit(隔離された署名領域:スケーラビリティの解決が期待される技術)がビットコインに実装された際に登場したものだ。
ビットコインのブロックは、理論上は1ブロックあたり1MBが最大となる。しかし、SegWitとTaprootにより、オーディナル・ユーザーは各ブロックに3MBのデータを追加することが可能となった。
ビットコイン・メモリプールは平常に戻る
2月16日には、業界リサーチャーがオーディナルを取り巻く熱狂のオンチェーン効果を認めている。
「インスクリプションの手数料率、平均ブロックサイズ、タップルート利用のすべてが爆発的に増加しており、メンプール(トランザクションを待つ列)は数ヶ月ぶりに一杯になり始めています」。
ただ2月20日(月)には、メモリプールのレベルが平常に戻り、事態は落ち着いたようだ。
メモリプールは、基本的にビットコインの「待機領域」をさし、各フルノードが自分用に使うトランザクションのために用いるものである。ノードがトランザクションを検証すると、そのトランザクションがマイナーに拾われブロックに挿入されるまでメモリプール内で待機するという仕組みだ。
先週のようにメモリプールが一杯になり始めると、ノードは最小トランザクション手数料のしきい値を設定して、トランザクションの優先順位をとり始める。十分な手数料をみたすトランザクションのみがメモリプールへのアクセスを許可されるため、トランザクションのスパムが効果的に排除される。
他方、メモリプール・レベルの低下は、オーディナル・インスクリプションが一時的なフェーズであった可能性を示唆している。(メモリプールは)2021年11月にビットコインネットワークの大型アップグレードTaprootによって利用可能になったものである。
オーディナル・インスクリプションが急増
一方で、2月19日、Delphi Digitalは、この1ヶ月で14万以上のオーディナルが記されたと報告している。続けて、以下のように説明している:
「ユーザーは、これら特定のsatoshiにデータを書き込むことで、おそらくビットコインの代替性を根本的に変えることになります。オーディナルは、satoshiとブロックチェーン全体に大きな影響を与える可能性があるのです」
さらに、手数料が上昇し、ブロックが大きくなっているため、「ビットコインのセキュリティ予算とマイナーの収益性を高めている 」と付け加えている。
またリサーチャーは、オーディナル・インスクリプションが始まったのは2022年12月17日だが、ユーザーが今年1月21日までに記したのは十数枚のみだったと指摘している。「それ以降、市場が放物線を描くようになった 」ということだ。
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