日本発のブロックチェーン「アスターネットワーク（Astar）」とは？

日本から世界に挑戦するブロックチェーンプロジェクト、アスターネットワーク（Astar Network）が日本国内から注目を集めています。

アスターネットワークは、ポルカドットのパラチェーンとして開発された、分散型アプリケーションを構築するためのプラットフォームであり、日本発のパブリックブロックチェーンです。

本記事では、アスターネットワークkとは何か、その特徴や機能をわかりやすく解説します。アスターネットワークに興味がある方、日本とWeb3.0問題について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

日本発のブロックチェーンAstar Networkとは？

アスターネットワークは、ポルカドットのパラチェーンとして開発された、分散型アプリケーションを構築するためのプラットフォームであり、日本発のパブリックブロックチェーン。マルチチェーン時代のスマートコントラクトハブを目指しており、渡辺創太市を中心としたStake Technologiesが開発を行っています。

アスターネットワークは世界的なVCからも出資を受けており、その注目度の高さが伺えます。

• Polychain Capital
• Binance Labs
• Alameda Research
• Coinbase Ventures
• Huobi Ventures
• Gate.io Labs
• Animoca Brands

また、トヨタ自動車、ソニーグループ、博報堂DYホールディングス、KDDIなどの日本を代表する企業からも出資を受けており、日本発のブロックチェーンとして期待されています。

アスターネットワークの3つの特徴

アスターネットワークの特徴3つを解説します。

• ポルカドットのパラチェーン
• マルチチェーン環境
• dApps Stakingの採用

アスターネットワークの特徴①：ポルカドットのパラチェーン

アスターネットワークは、異なるブロックチェーンを相互接続できるハブとして活動するポルカドットのパラチェーンとして稼働しており、ポルカドットエコシステムとも連携し、マルチチェーン対応ができるようになっています。

その結果、ポルカドットのセキュリティやガバナンスを利用できるだけでなく、他のパラチェーンとも相互運用できるようになり、セキュリティも大幅強化されました。

アスターネットワークの特徴②：マルチチェーン環境

マルチチェーンスマートコントラクトとは、異なるブロックチェーン間でスマートコントラクトを実行できるようにする技術。アスターネットワークはマルチチェーン環境を実現させており、他のブロックチェーンと簡単に連携することが可能になりました。その結果、ブロックチェーン間での資産や情報の移動が可能になったため、マルチチェーン環境はブロックチェーンの一般普及に大きく貢献されると考えられています。

アスターネットワークの特徴③：dApps Stakingの採用

アスターネットワークは、開発者が分散型アプリケーション（dApp）を開発することで報酬を得られる仕組みであるdApps Stakingを導入しています。dApps Stakingでは、開発者は自分が作成したdAppに対して「ASTRトークン」をステーキングすることで、新規発行されるトークンの40%を報酬として受け取ることができます。

また、開発者以外でもASTRトークン保有者は、応援したいdAppに対してステーキングし、新規発行されるトークンの10%を報酬として受け取ることが可能。dApps Stakingという仕組みは、ほかのプロジェクトにはなく、革新的な取り組みとして、注目を集めており、大きな差別化要因になっています。

アスターネットワークと日本の税制問題

アスターネットワークは、当初は日本国内で開発される予定でしたが、税制問題により現在はシンガポールで開発をおこなっています。

税制問題点の一つは、トークン発行に関わる課税です。日本ではトークン発行時に期末課税が適用されます。

期末課税とは、決算時に未実現の利益に対しても税金を課すこと。つまり、トークンを発行した時点でその価値が上昇した場合、その差額分に対しても税金を支払わなければならず、期末課税は、日本の税制上、最も重い税率が適用されます。

一方シンガポールでは、期末課税が適用されることはなく、暗号資産やNFTに対する消費税も免除されており、Web3.0企業にとって魅力的な拠点となっています。そのため多くの企業が、日本から撤退したり、日本進出を見送っており、日本の国際競争力を失っているという現状です。

アスターネットワークのCEOである渡辺創太氏は、「暗号資産に関する日本の税制を変えない限り、日本のWeb3に未来はない」と述べています。

アスターネットワークと税制問題の変化

Web3.0企業の外国進出は、日本の税制改革の必要性を意識させるきっかけとなり、自民党はWeb3.0に関する税制改革にむけて積極的に取り組んでいます。

自民党デジタル社会推進本部（平将明 PT座長）は11月10日、「web3関連税制に関する緊急提言」を決定。また、NFT政策検討プロジェクトチームを発足させ、4月にNFTホワイトペーパーを発表しました。

その後、12月16日に「Web3政策に関する中間提言」を発表し、以下8つのテーマについて提言しています。

• Web3の国家戦略としての位置づけ
• Web3関連税制の見直し
• Web3関連法制度の整備
• Web3人材育成・確保
• Web3関連研究開発支援
• Web3関連インフラ整備
• Web3関連産業振興
• Web3関連国際協力

自民党は、Web3.0を加速するために必要な環境整備に取り組んでおり、日本がWeb3.0分野で世界に先駆けることを目指しています。

まとめ：アスターネットワークは、日本再興のカギになる可能性

本記事では、日本発のブロックチェーン「アスターネットワーク」について紹介しました。アスターネットワークは、日本発のパブリックブロックチェーンであり、、Web3.0の世界を実現を目指しています。

その一方で、日本の税制問題がアスターネットワークやそのほかWeb3.0企業の成長を阻害しており、暗号通貨に対する期末課税は、日本の　Web3.0業界においての大きな問題です。しかし、アスターネットワークCEOの渡辺創太氏の積極的な税制課題の発信により、自民党はWeb3.0に関する課題改善にむけた取り組みを始めました。

Web3.0業界は日本再興のカギになる可能性があり、この業界がどのように進展するかによって、アスターネットワークや日本産業全体の進展が大きく左右されるでしょう。今後のアスターネットワークと日本の税制問題の動向に注目が集まります。