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新トルネードキャッシュ開発、マネロン対策か

6 mins
記事 Harsh Notariya

ヘッドライン

  • 新ミキシングサービスは「ゼロ知識証明」(ZKP)を採用
  • ZKPは試験段階にあり、未監査
  • 新サービスは、規制当局の締め付けに今後直面か
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トルネード・キャッシュ(Tornado Cash)の共同創業者が、規制当局の懸念に対処するため「プライバシー・プール」(Privacy Pools)という新しい暗号資産(仮想通貨)ミキシングサービスを開発した。

トルネード・キャッシュの創業者の1人であるAmeen Soleimani氏は、プライバシー・プールを使用して暗号資産ミキサーの欠陥を修正できたと主張している。新ミキサーはゼロ知識証明(Zero-Knowledge (ZK) Proof)を使用しており、これを通してユーザーは自分の資産引き出しが不正な取引の一部ではないことを説明できるとのことだ。

Soleimani氏が率いるMolochDAO【イーサリアム・ブロックチェーン上の分散型自律組織(DAO)】は、ヴィタリック・ブテリン氏のアイデアからヒントを得て、開発者をサポートし、プライバシー・プールの開発に至ったとのことである。イーサリアムの共同創業者であるブテリン氏は、イーサリアム上でプライバシーを提供できるステルスウォレット(Stealth Wallets)も示唆していた。

プライバシー・プールのデモは公開中

Soleimani 氏は、ブロックチェーンユーザーのプライバシーを正常化したい希望を抱いている。彼はWIRED(米国発のテクノロジーメディア)に「私の目標は、アメリカ市民として使えるプライバシーツールを手に入れることです。これは常に私の目標であり、元々トルネード・キャッシュを作ったときの目標でもありました。私の友人も、私自身も、プライバシーは当たり前のことだと思っています。きっと皆さんも同じ気持ちを抱くようになると思います」と語っている。

プライバシー・プールのデモ版はライブで公開されており、Soleimani 氏はチュートリアル・ビデオで上記ミキサーを説明しているとのことである。

しかし一方で、同氏は、「これ(プライバシー・プール)は、立ち上げの段階で『全財産をつぎ込む』ようなものではありません 」と注意を促している。同プールは、まだ監査を受けていない試験的なコードであり、(開発)チームは複数のバグを解決することにも取り組んでいる状況とのことである。

強まる規制当局の対決姿勢

プライバシー・プールのデモ公開によって、Soleimani 氏は 「数カ月前にはその存在すら知らなかった、プライバシーと規制の間で取りうる有効なバランスを規制当局に理解してもらうように 」(規制当局と)対話を始めたいとのことである。

ただし、WIREDが、米国の規制当局がこのアイデアを受け入れるかどうか同氏に尋ねたところ、彼は自信はないと答え、暗号資産世界では、そうした思いは共通しているとのことである。

一方規制当局側は、適切なリスク管理とマネーロンダリング防止コントロールを行わず、サイバー犯罪によるマネーロンダリングを促進したとして、トルネード・キャッシュに制裁を加えている。注意すべき点は、アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)に対するハッカーがトルネード・キャッシュを利用して資金を流出させた件だ。同事件においては、オランダ当局によるトルネード・キャッシュ開発者Alex Pertsev氏の逮捕という結末にいたっている。

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Takashi Higashi
国際広報、海外の先端技術調査、海外企業との提携等をこれまで行ってきました。ここ数年、暗号資産に関心を持ってウオッチしています。
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