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米国判事、SECのボイジャーへの処罰を阻止

9 mins
記事 David Thomas

ヘッドライン

  • ボイジャー事件担当判事が、SECによる関係者告発を却下
  • 米国法-企業のアドバイザーやエグゼクティブを訴訟から保護
  • SECへの対応でボイジャーは月当たり1千万ドルのコスト負担
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ボイジャー破綻に関する破産判事のマイケル・ワイルズ(Michael Wiles)氏は、米国証券取引委員会(SEC)がボイジャー再建プランに含まれる新しい暗号資産に関して、ボイジャー幹部と破産アドバイザーを処罰する試みを阻止した。

ワイルズ判事は、ボイジャーの再建プランに任命された個人に対し規制措置を取るという脅かしは、破産手続きを停滞させるものになると述べた。

ボイジャーは経営陣の破産保護を制限するよう再建プランを修正

同判事の発言は、倒産した企業の再建プランに携わる専門家を法的措置から保護する米国の倒産法に基づく。

SECの弁護士Therese A. Scheuer氏は、同法の適用範囲が広いことから、ボイジャーの従業員がアメリカの証券取引法に抵触する可能性があると論じている。一方、ボイジャーの弁護士は、再建プランの文言を少し変えることで、免責レベルを制限することに同意した。

ボイジャーの顧問であるマーク・レンツィ(Mark Renzi)氏は、「債務者は、将来、適用される規則が制定または公布された場合、いかなる法律も遵守することになろう」と述べた。

今回の裁定は、Binance.USによるボイジャーデジタルの買収を認めるかどうかの審理が、ニューヨーク南部地区破産裁判所で行われる中で下されたものである。

ボイジャーは、倒産したヘッジファンドのスリーアローズキャピタルが6億6,000万ドルの融資をデフォルトしたため、2022年7月に破産を申請した。ボイジャーは最近、Binance.USに10億2,000万ドルで身売りすることで合意している。

SECはこれまで、Binance.USが米国で未登録の証券取引所を運営しているとして、この売却に異議を唱えていた。また、売却後の資産分配は連邦証券法に違反する可能性があると主張していた。

また、Binance.USがマネーロンダリングやその他の犯罪に関与しているとされる最近の報道に見られるように、SECは上記買収取引を「完了させるのが困難」であるとも主張している。

業界弁護士はボイジャーに対するSECの動機に疑問符

LBRYのLBCトークンの2次販売にSECの規制を制限する主張を展開した暗号資産弁護士ジョン・ディートン(John Deaton)氏は、SECの異議申し立てに関してビーインクリプトに以下のように説明している:

「ボイジャー破綻は、SECが全面的に反暗号資産のアジェンダを追求する一例です。またそれは、連邦判事がSECから弁護士を呼び出したことにもつながりました。SECは法律だけでなく、彼らが保護すると宣誓した投資家も見捨てたのです」と彼はメールで回答した。

「真実は、資産分配は破産裁判所の手続きで行われる分配であるため、法律上、未登録の証券募集とみなされることはないということです。SECはこの場合に誰を守っているのでしょうか?投資家ではないことは確かです」

他方、ワイルズ判事は以前、これらの(SECの)異議申し立ては(ボイジャー)売却に反対する具体的な証拠を示していないと論じ、SECのウィリアム・アプテグローブ弁護士による一方的な協議の要請を拒否している。

ボイジャー破綻で債権者の関連コストが毎月1千万ドルに

上記レンツィ氏は6日、SECに絡む手続き遅延により、債権者に返済されるはずのコストが、毎月千万ドル会社に負担としてかかっていると述べた。

「5. しかしながら、債務者が(再建)プランを確認し、実行することはきわめて重要である。

(債務者は)価値を維持し、債権者の回収を最大化するために、迅速に対応すべきである。債務者らは月当たり1,000万ドル以上の(資産の)焼却がある。債権者に分配するため、可能な限りこれらの資金を温存する必要がある。

債務者は、SECの明確な発展的審議プロセスに応えるために、これ以上(状況を)遅らせてはならない」

ボイジャーの焼却(burning)-毎月1,000万ドル|出所:Mark Renzi

さらにレンツィ氏は、ボイジャーのVGXトークンが証券であるというSECスタッフの主張についても、同社がSECの要請に応じて行った以前の開示を引用して否定した。さらに、「全米で著名な」弁護士グループがVGXが証券でないと確認したと断言した。

「4. SECのカウンセルからの補足説明は、債務者にとっては驚きでした。

私は、債務者から、SEC から次のような情報を提供するよう求められたと聞いています-

2021年のVGXの件とそれに伴う行為(約1年半前)についてです。その後のSECの問い合わせは、異なるトピックにわたったということです。私は弁護士でも証券法の専門家でもありませんが、(また 私はこの問題に関してどんな立ち位置にもありません)、債務者グループは、SECスタッフまたはその他の関係者によるVGXが証券であるとの主張には、まったく反対であるとうかがっています。また、こうした債務者の見解は、全米で著名な法律事務所からの法的見解によって支持されています」

VGXでの情報公開に関するレンツィ氏のコメント|出所: Mark Renzi

ところで、アドバイザーやその他の破産専門家は一般的に、破綻した会社の債権者よりも先に報酬を得る。

2022年12月のCNBCの報道では、破綻した暗号資産取引所FTXのCEOで、破産専門家でもあるジョン・J・レイ3世が、独立請負人として時給1,300ドルで、年間2週間の休暇を加味して月収25万ドル稼いでいたことが明らかになった。彼は2022年11月にFTXが破産申請した際、CEOを引き継いでいる。

また、キャサリン・シュルテア(Kathryn Schultea)氏と他の3人のアドバイザーは、年間約590万ドルの収入を得ている。これらの契約者とレイ氏の分を合わせて、FTXの年間コストは約850万ドル(約8億円)にのぼる。

ワイルズ判事は3月6日までにボイジャー売却を認めることに同意する必要に迫られているが、これに失敗すると買収取引は不成立になる可能性がある。

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Takashi Higashi
国際広報、海外の先端技術調査、海外企業との提携等をこれまで行ってきました。ここ数年、暗号資産に関心を持ってウオッチしています。
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