暗号資産市場は26日(日本時間27日)、歴史的な年末イベントを迎える。デリビット上で、ビットコインとイーサリアムのオプションが合計270億ドル超満期を迎える予定だ。これは同デリバティブ取引所における建玉総額の半分以上に相当する規模。
この巨大な「ボクシング・デー」満期は、暗号資産市場史上最大級の構造的リセットとなる可能性がある。
Sponsoredビットコイン・イーサリアム、27億ドル規模のオプション満期
本日のオプション満期は、先週観測された規模を大きく上回る。本日は今月、そして年末最後の金曜日にあたるためだ。より厳密には、本日満期を迎えるオプションは月末および四半期末(2025年第4四半期)分に該当する。
数字は圧倒的だ。ビットコイン関連の満期オプションは236億ドル、イーサリアムは38億ドルに及ぶ。本稿執筆時点で、ビットコイン価格は8万8596ドル付近、イーサリアムは2956ドルで取引されている。
コールオプションが大半を占め、プットオプションの約3倍に達する。トレーダーの間で明確な上昇傾向が示されている。
いわゆる「マックスペイン」水準は、ビットコインで9万5000ドル、イーサリアムで3000ドル付近に位置する。この価格帯でオプション売り手は最大の利益を得やすく、買い手は最大の損失を被りやすい。
デリビットによれば、今回の満期は取引所全体の建玉総額の50%超に達し、過去最大規模となった。
「…記録上最大の満期となり、建玉全体の半分以上に相当する…。満期後のフローは価格以上に重要。ポジション動向に注視を。かつてない規模の満期に市場はどのように反応するのか?」とデリビットのアナリストが指摘した。
マックスペイン理論には賛否がある。しかし、この価格水準を目指してトレーダーや機関投資家がヘッジ調整を進めるため、現物価格がこの水準に収束しやすいと考えられている。
現在、ロールオーバー(乗り換え)の動きが市場の主導権を握っている。多くの機関投資家がポジションを1月限にずらすことで、短期オプションデータには一時的なノイズが生じている。
Greeks.liveは、最近のブロック取引でプット比率が30%を占めたと述べる。ただし、これは弱気なセンチメントとは限らない。機関投資家の手放したポジションを個人トレーダーが拾うことで、有利な価格形成が期待できる環境とアナリストは解説する。
Sponsored Sponsored低下するボラティリティ 年末償還が2026年相場を左右
イベント自体の巨大さに反し、市場は落ち着いた様子を見せている。ビットコインの30日間インプライド・ボラティリティ指数(DVOL)は現在42%前後で、11月末の63%から下落した。このため、パニック的な急変動は起きにくく、満期も予想ほど混乱せずに収束する可能性が高い。
影響は満期自体を超える。満期後のフローが相場動向を左右し、上値抵抗が和らぐ可能性がある。
Sponsoredトレーダーは以下の主要ストライク価格に注視している。
- ビットコインでは10万〜11万6000ドルのコールオプションが大半を占め、8万5000ドルのプットが下値狙いとして最も人気。
- イーサリアムも同様に、3000ドル超のコールオプションに集中している。
年明け2026年最初の数週間は、機関投資家が残ったポジションやロールオーバー分にどう対応するかが価格形成を左右する見通し。
投資家は注意が必要だ。こうした大型満期時には、トレーダーが取引決済やロールオーバーを急ぎ、ボラティリティが高まりやすい。デリビットで12月限プットの建玉を日本時間8時(UTC 8:00)で満期消滅させるか、延長するかの判断が、年末特有の下振れリスクか構造的リセットかを分ける要因となる。
デリビット全体の建玉の半分超が1日で満期消滅することで、ビットコインとイーサリアムは市場の分水嶺に立とうとしている。
本日のオプション満期は、機会とリスクの両面を持つ。規模・ポジショニング・季節的流動性が重なる未曾有の事態であり、2026年に向けた暗号資産トレンドを大きく左右する可能性。