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アジア富裕層の87%が暗号資産を保有=シグナム調査

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著者:
Kamina Bashir

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編集:
Shigeki Mori

11日 12月 2025年 10:03 JST
Trusted-確かな情報源
  • アジアの富裕層の87%が暗号資産を保有している。
  • 富裕層の約60%が暗号資産への投資拡大を計画している。
  • ビットコインとイーサリアム以外のETFを求める投資家は全体の80%で、ソラナに関心を示す割合は52%に上る。
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最新レポートによると、アジアの富裕層の87%がデジタル資産を保有し、60%が今後さらに割り当てを増やす予定だという。

これは、同地域におけるデジタル資産分野の成熟を示す動きである。主要市場の裕福な投資家が、暗号資産をポートフォリオの不可欠な要素と見なす傾向が強まっている。

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アジア富裕層でデジタル資産導入が加速

この調査結果は、Sygnumのアジア太平洋富裕層(HNWI)レポート2025年版によるもの。アジア太平洋10市場、270人超の富裕層・プロ投資家を対象とし、デジタル資産が地域における長期的な資産戦略の一部となる構造的変化が示された。

同レポートでは、既に87%が投資ポートフォリオの一部としてデジタル資産を保有していることが明らかになった。さらに、回答者の49%がポートフォリオの10%超を暗号資産に割り当てており、その中央値は10〜20%となっている。60%が割り当てをさらに増やす意向を示す。

「シンガポールやアジア太平洋地域全体の富裕層は、デジタル資産を資産創出・保全の有効な手段と捉えている。規律ある世代を超えた投資姿勢と高いリスク許容度がデジタル資産への本格的な割り当てにつながっている。特に、シンガポール金融管理局(MAS)の高度な規制フレームワークが、こうした投資家の求める機関投資家向けの安全性を確保している点が大きい」とSygnumのレポート著者兼暗号資産エコシステム・リサーチ責任者のルーカス・シュヴァイガー氏は述べた。

資産保全が投機を上回る

同レポート全体の主なテーマは、アジアの個人投資家の成熟した行動である。90%がデジタル資産を長期的な資産保全や世代継承計画に重要と見なしている。分散投資が最大の動機となり、短期売買やメガトレンド重視を上回った。

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Wealthy Asian Investors' Outlook On Crypto
アジア富裕層投資家の暗号資産に対する見解 出典:Sygnum

より高度な商品への需要も高まっている。富裕層は、アクティブ運用戦略や外部委託型運用、利回り向上型商品など、既存の資産構造に合致したサービスにも関心を強めている。

特に、伝統的なウェルスマネージャーにも対応を求める声が拡大。最近のBeInCrypto報道では、米国の多くの投資家が暗号資産を扱わないアドバイザーから資金を移した事例も紹介された。

「シンガポールのMASフレームワークや、香港で進展するデジタル資産規制によって、伝統的なウェルスマネージャーが暗号資産サービスを提供できる基盤が整った。もはや民間銀行がこの需要を満たせるか否かではなく、いつ対応するかが問われている」とSygnum共同創業者兼APAC CEOのジェラルド・ゴー氏は述べた。

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ETF需要の多様化、ビットコイン・イーサリアム超える

特に多様なETF(上場投資信託)への需要が目立つ。レポートによれば、回答者の80%がビットコインとイーサリアム以外のETFを求め、ソラナは52%が関心を持つ銘柄となった。

次いで、複数資産の暗号資産インデックスが48%、XRPが41%。特に、ETFにステーキング利回りが組み込まれれば、70%が新たに資金を割り当てるか割り当て増加を検討すると回答した。

一方で、Sygnumは市場の変動以降、多くの投資家が慎重な姿勢を取っているとも指摘した。

Investors Outline Roadblocks
投資家が挙げる主な障壁 出典:Sygnum
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明確でない規制、カストディやセキュリティへの懸念、地域ごとに異なるライセンス要件などが、幅広い参入拡大の障害となり続けている。

それでも長期的な信頼感は根強い。富裕層の57%、超富裕層の61%が、暗号資産市場について長期的に上昇傾向または強気な見通しを示している。その自信は、暗号資産と伝統金融の連携深化にも支えられる。

ゴー氏は、アジア太平洋地域が世界有数の成長速度と影響力を誇るデジタル資産ハブに急浮上していると強調し、2026年に向けてその勢いが加速すると予測する。

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