ビットコインは10日、11万6,000ドルまで上昇し、過去最高値を更新した。この急騰は、ドナルド・トランプ米大統領が「ビッグ・ビューティフル・ビル」と称する法案に署名してから6日後。
法案成立を受けて、主要な暗号資産は軒並み上昇。ビットコインは6%超の上昇率を記録し、イーサリアムをはじめとするアルトコインにも買いが波及している。背景には、米国の財政赤字拡大や債券市場のタイト化、上場投資信託(ETF)への資金流入など、マクロ経済と制度面の複合的要因がある。
財政急増が実物資産への逃避を引き起こす
トランプ氏の3兆3000億ドルのビッグ・ビューティフル・ビルは、7月4日に署名され、米国の債務を即座に4100億ドル増加させた。この法案は債務上限を5兆ドル引き上げ、主要な減税を恒久的に延長する。
市場はこれをインフレ要因と見ている。投資家は債券からビットコインのような希少資産に移行している。法案の規模と実施の速さが財政規律への懸念を増幅させている。
ビットコインは、その固定供給量により、法定通貨の価値低下に対するヘッジとして再び浮上している。

ブラックロックのスポットビットコインETF(IBIT)は、運用資産が760億ドルに達した。これはわずか200取引日で3倍になった。
比較すると、最大の金ETFが同じマイルストーンに達するのに15年以上かかった。機関投資家の流入が価格動向の強力な推進力となり、ビットコインを主流のポートフォリオに深く押し込んでいる。

FRBのバランスシート縮小が流動性を引き締める
6月に連邦準備制度理事会(FRB)はバランスシートを130億ドル削減し、6兆6600億ドルにした。これは2020年4月以来の最低水準。FRBは過去3年間で2兆3000億ドル以上の資産を削減している。
一方、国債保有は同期間に1兆5600億ドル減少。債券市場の買い手が減少し、発行される債務が増える中、投資家は代替的な価値の保存手段に移行している。
ビットコインが最有力候補となっている。
また、イーサリアムは3000ドル近くで取引されており、ビッグ・ビューティフル・ビルが法律になってから14%上昇。ソラナ、アバランチ、その他のアルトコインも上昇している。
個人投資家と機関投資家の資本が戻ってきている。ミームコインやDeFiトークンが投機的センチメントの復活とともに注目を集めている。暗号資産は再びリスクオンのサイクルをリードしている。
S&P 500過去最高値:全面的なリスクオン
S&P 500は2025年4月の最安値から30%上昇し、今週新たな過去最高値を記録。これは高成長・高リスク資産への投資家の強い信頼を示している。
ビットコインはこの環境から直接恩恵を受けている。株式が上昇すると、暗号資産もそれに続く傾向がある。市場はビッグ・ビューティフル・ビルを間接的な刺激策と見ており、それに応じて反応している。

結論
ビットコインの最新の過去最高値は、構造的な変化への反応であり、ブームではない。ビッグ・ビューティフル・ビルは赤字を拡大し、米国債市場への信頼を揺るがした。
インフレ懸念が高まり、機関投資家のアクセスが増える中、ビットコインはマクロヘッジの選択肢となりつつある。暗号資産が新たなブル市場に突入する中、今や注目は連邦準備制度理事会と利下げ決定に向けられている。
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