ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を推し進めるゲーム開発企業KLabが25日、ビットコインと金市場の包括的な分析レポートを発表した。同レポートは世界の主要金融機関の最新予測を俯瞰的にまとめたもの。これにBeInCryptoの分析を加味し、2026年度および中期的な価格展望を詳報する。
ビットコインについては従来の4年周期が継続するか崩壊するかで専門家の見解が大きく二極化する一方、金については構造的上昇トレンドの継続で大方の意見が一致した。25年12月現在、ビットコインは9万ドル前後で推移し、10月の史上最高値12万6000ドルから約30パーセント下落している。対照的に金価格は4400ドルから4500ドル近辺で史上最高値圏を維持し、年初来で約64パーセントの上昇を記録した。両資産の明暗を分けた要因と2026年の展望について、市場参加者の関心が高まっている。
Sponsored市場は「循環」か「構造変化」か
同社のBTCレポートの主眼は、半減期を軸にした「4年周期」がなお機能するのか、それともスポットETFと機関投資家の定着で価格形成が別物になったのか、という対立にある。前者(循環的弱気)では、2025年10月高値がサイクル天井で、2026年は「調整と停滞の年」として底値を6万5000〜7万5000ドル、最悪で3万7500ドルまで想定する。後者(流動性スーパーサイクル)では、金融緩和局面と流動性拡大が追い風になり、2026年末に25万〜50万ドル到達も視野に入ると整理する。
この二分法は、足元の値動きの「解釈」を変える。例えば12月のBTCは8万0400ドルと9万7137ドルのレンジで神経質に推移しているとの市況整理もあり、短期の上下は「方向感が出るまでの保ち合い」とも「下抜け前の弱さ」とも読める。
BTC 2026年価格予測:底値 3万7500〜7万5000ドル
BTCレポートが最も具体的に示すのは、2026年の「下値メド」と、その論拠の差である。弱気側の下限として、暗号資産アナリストAli Martinez氏が2026年第4四半期に3万7500ドルで底打ちする可能性を提示し、過去弱気相場のドローダウン率(70〜84%)を当てはめ、底打ちまでの残日数も算出したと記す。
一方で、Fidelity Digital AssetsのJurrien Timmer氏は、成熟化で80%級の壊滅的下落は起きにくいが、上昇も一直線ではないとして、6万5000〜7万5000ドルを底値レンジに置き、2026年を「滑り台(slide)」のような統合局面と位置づける。ここで示される6万5000ドル近辺は、実現価格(Realized Price)や長期保有者コストに近い“構造的サポート”として説明される。
Sponsored Sponsored上値側は、銀行系が慎重化する一方でマクロ主導の強気も残る。Standard Charteredは「デジタル資産財務(DAT)」企業の買い需要飽和とETFフロー鈍化を理由に、2026年ターゲットを15万ドルへ下方修正した。JPモルガンは価値保存需要を軸に17万ドルを置く。アーサー・ヘイズ氏は財政的支配と流動性拡大を前提にトップ50万ドルを掲げ、途中で7万5000〜8万ドルへの下振れも織り込む。
この「フロー(ETF)と買い手(DAT)の減速」という論点は、12月のETFを巡るニュースフローとも接続する。例えばブラックロックがビットコインETFを投資テーマ上位に位置づけたとの報道は、長期フローが途切れない前提を補強する材料になり得る。
金 2026年価格予測:基本線 4400〜4800ドル、強気 5055ドル
Goldレポートは、2025年の金市場を「再評価(Re-rating)」の局面と捉え、従来の実質金利・ドル相場だけでは説明しきれない価格形成を強調する。中心ドライバーとして中央銀行の買いと地政学リスクを据え、2026年度の見通しを機関別に一覧化した。
数値レンジとしては、4,400〜4,800ドルを「基本線」に置く機関が目立つ。UBSは2026年半ば4,500ドル、年末4,900ドル。Morgan Stanleyは4,400ドルへ大幅上方修正しつつ、宝飾品需要の弱さを懸念材料に挙げる。SSGAは4,000〜4,500ドルでのコンソリデーション(値固め)を想定しつつ、上値5,000ドルも射程に入れる。
強気側の象徴がJ.P. Morganで、2026年第4四半期に平均5,055ドルを「確信度の高い」ロングとして提示する。Goldman Sachsも4,900〜5,000ドル超を掲げ、FRB独立性懸念など政策不確実性が上振れ要因になり得るとする。
Sponsoredもっとも、短期の価格到達は想定より早い。12月22日に金が4,400ドルを超え過去最高値を更新した、との市況整理があり、基本線の下限に市場が先行して到達した格好だ。
共通ドライバー:ETFフローと労働市場、中央銀行需要
両レポートが共有する結論は、「価格はイベントではなくフローで決まる局面が強まった」という点である。BTCレポートは、今後の最重要監視指標として「米国失業率の推移」と「ETFへの資金純流出入(Net Flows)」を明示し、失業率上昇で金融緩和期待が高まる中、ETF流出が限定的なら6万5000ドルが岩盤となり得る一方、景気後退でETF解約が始まれば3万7500ドルシナリオが現実味を帯びると整理する。
金では、中央銀行需要を構造的な下支えとしつつ、ETF資金の回帰が上値の“加速装置”になり得る、という見立てが繰り返される。加えて、Goldレポートは暗号資産側からの競合・補完関係にも言及し、ビットコインが資金を吸い上げれば金ETFからの流出(カニバリゼーション)も起こり得るが、両者は不換紙幣への不信という共通項で補完し得る、と整理する。
Sponsored Sponsoredこの補完関係は、同一記事内でBTC・金・銀のテクニカル水準を並べた市況整理などとも整合し、資金が「どの逃避先」に向かうかを週次で点検する視点を与える。
日本の投資家が点検すべき前提:ドル円と逆風シナリオ
Goldレポートは、日本の投資家にとって金が「ドル建て価格×ドル円」で収益が決まる点を明示し、仮に為替が145円程度まで円高方向に振れても、ドル建てで5,000ドルに向かう局面なら円建てでもプラスになり得る、と投資戦略の含意を整理する。また、国内専門家の見立てとして「来年(2026年)の5,000ドル予測が控えめに見える」とのコメントを紹介し、地政学リスクが個人の金保有シフトを促す可能性にも触れる。
一方で、強気一辺倒を避けるためのダウンサイドも具体的だ。米国が「強いドル・高い金利」の環境に回帰すれば金は3,000ドル台へ押し下げられ得ること、中国・インドで需要破壊が起これば調整が深くなり得ることを挙げる。
BTC側も同様に、需給の買い手が変われば前提が崩れる。DATの買い需要が一巡すれば上値が重くなるとの整理があり、逆に米国の雇用悪化から金融緩和へ転じればリスク資産に追い風となり得る、とマクロ条件でシナリオが入れ替わる。
足元ではCPI鈍化に反応しない場面や、分岐点となる価格帯を示す市況整理も出ており、レポートが示す「フローとマクロ」を日々の値動きに接続する材料になる。