本日、ビットコインとイーサリアムのオプション、約25億ドル分が期限を迎える。トレーダーが上昇への期待と大きな下落リスクの保険を併用する中、月末にかけて高いボラティリティが予想される局面。
表面的には、ポジションは上昇志向に見える。しかし、コール主体のバイアスの裏には目立った異常値がある。ビットコインのオープン・インタレストが最も集中しているストライクの1つが、スポット価格を大きく下回る4万ドルで発生している。
コール優勢、最大苦痛価格は上方に位置
ビットコインは現在約6万7271ドルで推移し、最大損失点(マックスペイン)は7万ドルに設定されている。オープン・インタレストはコールが1万9412件、プットが1万1044件で、プット・コール比率は0.57。全体として上昇傾向を示す。期限を迎えるオプションの想定元本は約20億5000万ドル。
イーサリアムも同様に建設的なバイアスを示しているが、よりバランスが取れている。ETHは1948ドル付近で取引されている。マックスペインは2025ドル。
コール(12万4109件)がプット(9万17件)を上回り、プット・コール比率は0.73。想定元本は約4億1700万ドル。
「…どちらの資産もコール中心にポジションが偏っており、BTCの上昇バイアスがより強い。マックスペインはBTCコールのオープン・インタレストの下に位置し、ETHはよりバランスが取れているが建設的な状況」Deribitのアナリストが指摘。
マックスペインとは、最も多くのオプションが無価値で失効し、買い手への支払いが最小化される価格帯を指す。
BTC、ETHともに現在価格はマックスペイン下にあり、満期にかけてこれらストライクに価格が近付けば、オプション売り手の損失が低減される可能性。
4万ドルプットが示すテールリスク
表向きは強気なバイアスが目立つ一方、4万ドルに巨大なプット集中が生じており、市場の注目を集めている。
ビットコインの4万ドルプットは、現在オープン・インタレストで2番目に大きいストライク。想定元本は約4億9000万ドル相当。これはビットコインが直近高値から急落したことを受け、ヘッジ需要が再編された結果。
「期限直前のトータルポジションはコール中心だが、1つ異例なのは4万ドルBTCプット。このストライクが2月限の中でも最大級のオープン・インタレストを維持している。大幅にOTM(アウト・オブ・ザ・マネー)の下方プロテクション需要が明確に認められ、表面的なプット/コール比率が建設的でもこの現象が続いている」とDeribitアナリストは強調。
要するに、トレーダーは上昇サイドにもポジションを取っているが、新たなボラティリティ・ショックを排除する姿勢ではない。
ヘッジ、プレミアム、構造的影響
こうした動きから、ビットコインのデリバティブ市場における大きな変化が示唆される。オプションが方向性のベットやイールド戦略、ボラティリティ管理に活用されている。
アナリストのジェフ・リアン氏は、オプション市場からプレミアムを安定的に取り出せば、構造的な売り圧力が低減すると主張。
「オプション市場から安定的にプレミアムが得られれば、ビットコインの長期保有者(ホドラー)は生活のために保有ビットコインを売る必要がなくなる。ビットコインへの売り圧力が軽減され、結果として価格上昇を一段と後押しする」と同氏は述べた。
このアナリストは、オプション・プレミアムを「恐怖と欲望に駆動された局地的なポンプ」と形容。ビットコインの供給上限と矛盾せず、価値を長期保有者に再配分する仕組みと説明した。
総じて、BTCとETHはいずれもコール優勢。トレーダーは反発へのエクスポージャーを維持している。一方で、深いOTMヘッジの規模の大きさが、市場の慎重姿勢を浮き彫りにする。
何十億ドルもの想定元本が期限を迎える中、価格がマックスペインへ収束するのか、それとも隠れた暴落保険需要が的中し、落ち着いた相場のはずが再びボラティリティを呼び起こすのかが焦点。