市場予想によれば、米連邦準備制度理事会(FRB)は19日、連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を3.50%〜3.75%に据え置く公算が大きい。戦争に伴うエネルギー価格の上昇とインフレ期待の高まりが金融政策の判断を難しくする中、ビットコインは7万4000ドル近辺で推移し、一時7万6000ドルまで上昇した。市場は据え置きを織り込む一方、発表とパウエル議長の記者会見を前に値動きの荒さが続いている。
戦争と原油高、追い詰められる中央銀行
3月のFOMC会合は、現代では前例のない状況下で開催される。イランによるホルムズ海峡封鎖で、世界の原油供給の約5分の1が遮断された。
テラビブに対する複数回のミサイル攻撃でエネルギー価格は数年来の高値となり、米国のディーゼル価格は1ガロンあたり5ドルに急騰した。
こうした背景から、CME FedWatch Toolはほぼ確実に据え置きと予想しており、据え置きの確率を98.9%、利上げの確率を1.1%と見積もっている。
主要銀行もこの見方に同調している:
- バークレイズは、ドットチャートが2026年に25bp(0.25%)利下げ1回と、より高いインフレ見通しを示唆すると予想。
- バンク・オブ・アメリカは、スティーブン・ミラン理事およびクリストファー・ウォーラー理事によるハト派の反対を含む8対2の票決になると見通す。
- ドイツ銀行も同様に、中東情勢の不透明さから据え置き維持を予想。
本稿執筆時点で、ビットコインは7万4046ドルで取引されていた。火曜日につけた日中高値7万6000ドルから小幅調整した形。
FRB議長の発言に暗号資産取引者が警戒
暗号資産アナリスト0xNobler氏によれば、金利が3.75%を下回れば市場は過熱的な上昇を見せるが、これを超えると急激な売りが起きるという。
一方、Max Crypto氏は米国とイランの戦争が短期インフレに与える影響を指摘し、よりタカ派的な発言があればリスク資産が下落すると述べる。
「米・イラン戦争が始まって以来、短期インフレ期待が上昇している・・・彼(=パウエル議長)がさらにタカ派姿勢を示せば、リスク資産は下落しかねない」とMax氏が投稿。
またアナリストのLimitless氏は、FRBは「どちらに転んでも不利」という立場だと指摘する:
- 金利を据え置くかタカ派に転じれば流動性が引き締まるが、
- 利下げのシグナルを出せばドル安でエネルギー価格がさらに上昇する。
トレーダーは2026年残りで利下げゼロを織り込んでおり、市場が長期的な金融引き締めを想定していることを反映する。
今後の展望
パウエル議長のドットチャートや経済見通しサマリーへの発言は、金利決定自体よりも重みを持つ。
中央値のドットが利下げ1回からゼロに変化すれば、リスク資産の急激な見直しにつながる可能性。
原油が再び100ドル間近、インフレも粘着性を見せ、戦時下の金利決定に前例がない中で、FRBの今後の動静は第2四半期の暗号資産市場における最大の変数として注目される。