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暗号資産普及と日常決済の乖離

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執筆&編集:
Kamina Bashir

21日 1月 2026年 18:47 JST
  • 暗号資産の導入を支持する人は全体の80%だが、日常の決済でビットコインを使う人は少ない。
  • 利用範囲の限定、高額な手数料、価格変動の大きさが実利用の主な障壁となっている。
  • 利用者はビットコインで支払う際、報酬やキャッシュバック、利回りを期待する傾向がある。
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ビットコイン(BTC)保有者5700人超を対象とした最近の調査で、暗号資産業界における「信念」と「行動」の間の明確なギャップが明らかとなった。約80%が暗号資産の普及拡大を支持する一方、55%は日常の支払いでデジタル資産をほとんど、または全く使っていないと答えた。

このような信念と実利用の乖離拡大は、業界における最大の課題が、もはや認知度や思想的支持ではなく、別の領域にあることを示唆する。

暗号資産利用者の多くが普及を支持 実際の消費は限定的な理由

GoMiningの調査には、複数地域のユーザーから回答が寄せられた。中でも欧州が45.7%、北米が40.1%と最多を占めた。

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参加者の経験値も幅広く、新たに暗号資産に参入した層と、数年以上保有している層がほぼ同数となった。

この分布は、暗号資産支払いの制限が特定地域やユーザー像に限った問題でないことを示している。調査では、暗号資産による支払いは依然としてニッチな行為にとどまっていることが判明した。

日々の支払いに暗号資産を使うと答えたのは全体の12%のみ。週1回まで拡大しても14.5%、月1回まで広げても18.3%にとどまる。多数派は「ほとんど使わない」「全く使わない」と回答した。

The Use of Crypto As a Payment Method
暗号資産決済の利用状況 出典:GoMining

こうした支払い行動は、暗号資産が決済手段として最も機能している領域を示す。デジタル商品での利用が47%と最多で、次いでゲーム関連の購買が37.7%、EC(電子商取引)が35.7%だった。

この結果は、ユーザーが既に暗号資産決済を活用しているのはデジタル中心の環境、すなわちネイティブに対応している業界に限られていることを示す。その範囲外では利用が大きく減少する。

調査結果は、いまだインフラ面の課題が利用拡大の最大障壁であることを示す。主な理由として、加盟店数の限定(49.6%)、高額な手数料(44.7%)、価格変動(43.4%)が挙げられた。加えて、詐欺リスクも36.2%が主要な理由として指摘した。

Barriers to Using Bitcoin For Payments
ビットコイン決済の障壁 出典:GoMining
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GoMiningのマーク・ザランCEOはBeInCryptoの取材に対し、もし暗号資産の利用が、ネットワーク選択や手数料管理、価格変動への対応、誤送金リカバリー方法の模索など追加の煩雑さを伴う場合、ほとんどのユーザーにとって暗号資産は依然として「珍しいもの」と認識されるだろうと語った。

「一般のユーザーにとって、暗号資産が本当に役立つと感じられるのは、裏方に“溶け込んだ”ときだ。普段の買い物先で利用でき、コスト競争力が明確で、決済が素早く完了し、レシートや返金・紛争対応がスムーズ。このレベルを満たせば、決済体験はカードのタッチ並みに“つまらなく信頼できる”ものになる。それこそが定着の鍵だ」と同氏は述べた。

さらに、ザランCEOは、このギャップは「普及の問題」ではなく「日常的なプロダクトの問題」により近いと指摘した。

「多くの人が原則として暗号資産を受け入れる一方、結局はカードや銀行アプリに戻る。どこでも使えて手間がないからだ。調査結果もこれを裏付ける。興味はあっても、加盟店が限られ、コストが読めず、価格変動への不安があると、日常利用は行き詰まる」と同氏はコメントした。

ザランCEOはまた、トークンの種類が増えても日常の利便性は自動的に生まれないこと、ほとんどのトークンが一般消費者の“日々の煩わしさ”を解消していないと強調した。

実用性が真に発揮されるのは、暗号資産が明確な構造的メリット、すなわち国際送金の効率化、即時決済、プログラム可能性を提供する場面だ。そのため、業界は今、ユーザーに多種多様な資産の管理・運用を求めるよりも、決済基盤や他サービス連携の整備にシフトしつつある。

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ビットコイン決済、利用者の報酬期待高まる

一方、調査ではユーザーが従来の決済手段より暗号資産を選ぶ理由も分析した。首位はプライバシーやセキュリティ重視で46.4%。報酬や割引も45.4%とほぼ同率で続いた。

ビットコイン決済でユーザーが求めるものも明確だった。62.6%が「手数料の低減」を挙げ、続いて「リワードやキャッシュバック」55.2%、加盟店の拡大が51.4%となった。

注目すべきは、回答者のほぼ半数が「支払う度にリワードや収益を得たい」と答え、インセンティブ重視の姿勢が顕著になった点だ。

データはまた、ビットコインに対する認識が大きく変化していることも示す。自らを長期保有者とする人は多いものの、マイニングや利回り商品、トークン化ハッシュレートなどへの関心の高まりからも、単なる保管より積極的なリターン重視が明らかだ。

この文脈において、決済も「資産増加の新しい機会」として認識されつつある。ザランCEOは、インセンティブは決済の標準的な仕組みであると述べた。

同氏は、従来の決済システムにも同様にインセンティブ構造が存在すると説明した。消費者への報酬、発行者への経済的便益、加盟店への確実な決済を提供している。

「こうした“乗り換えたくなる要素”がないまま、暗号資産決済の普及を期待するのは非現実的だ。インセンティブが明らかにするのは、残された摩擦の場所である。もし、既にコストが安く高速で、全加盟店で使える状態なら、インセンティブの重要性は下がるはず。現時点では、インセンティブが“乗り換えコスト”を穴埋めし、定着までの習慣化を後押ししている。今後は加盟店網、返金やサポート体制、“迷うことのない決済フロー”の整備が進むことで、このギャップは縮まっていくだろう」とCEOは語った。

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ビットコインは決済手段と資産保全の両立が可能か

回答者は今後ビットコインをどのような用途で使用したいかも述べている。最も多かったのは日常的な支払いで、69.4%が回答した。これにゲームやデジタルエンターテインメントが47.3%、高額商品や高級品が42.9%で続いた。

ユーザーの視点からは、ビットコインは特定分野に限られた用途ではなく、日常的な支払いの有効な選択肢として認識されつつある。一方で、重要な疑問も生じている。もしビットコインが日常決済手段として成功した場合、価値保存手段としての役割は強化されるのか、それともその役割が薄れてしまうのか。

ザラン氏は、より幅広い決済用途がビットコインの価値保存手段としての役割を最終的に強化するとの見解を示す。同氏によれば、価値保存資産と認識されるかどうかは、社会や市場が調整した結果で決まる。

この評価は流動性、確実な決済、そして資産が現実世界の金融システムにどれだけ統合されているかに左右される。同氏によると、

「ビットコインの利用頻度が上がれば上がるほど(ライトニングのようなレイヤーやカードを通じても)、堅固な需要とインフラを備えた、耐久性ある貨幣資産としての性質が強まる」

同氏は「希薄化」に関する懸念について、支出を信念の喪失と混同していると指摘する。成熟した金融システムにおいては、長期保有と日常利用は相反するものではなく、インフラが摩擦を取り除けば両立する。

2026年を見据え、ザラン氏はより現実的な将来像を示す。ビットコインはリザーブや決済の基盤となり、より使いやすい決済用レイヤーが支払いを担当することで、ユーザーはブロックや手数料、タイミングを意識せずに取引できるようになる。

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