ビットコインは前週に8万ドルを一時的に割り込んだ後、8万2500ドル付近まで回復した。

ただし、この反発は水曜日に大きな試練を迎える見通しだ。新たな米国の原油在庫データが発表されることで、売りを招いたインフレ懸念が再燃する可能性がある。

マクロ環境の影響が市場全体に及ぶ

ビットコインは木曜日に7万9770ドルまで下落した。米国のインフレ指標の悪化を受けた投資家心理の悪化が背景だ。9月の消費者物価は前年比3.7%上昇し、市場予想の3.6%を上回った。

加えて、生産者物価や小売売上高の強さが連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ懸念を強めた。この圧力は金融市場全体に波及した。

テクノロジー株は大幅安となり、投資家は暗号資産を含むリスク資産から資金を引き揚げた。

しかし月曜日には状況が改善した。原油価格と米国債利回りが下落し、インフレ懸念が緩和した。

市場参加者はFRBによる早期利上げ観測を後退させている。10月28日に金利が据え置きとなる確率は市場でおよそ87%と織り込まれている。ただし、回復の基調には弱さも残る。

米国の現物ビットコインETFは、前週「2億2800万ドルの純流出」を記録した。機関投資家の需要が明確に戻ったとは言い切れない。

米国ビットコインETFの資金流入(10月12日~10月16日)
米国ビットコインETFの資金流入(10月12日~10月16日) 出典: SoSo Value

原油動向がビットコインの次の動き左右か

Bitunixアナリストによれば、水曜日発表予定の米国エネルギー情報局(EIA)の原油在庫統計が今後の主要な材料となる見込みだ。

予想以上に原油在庫が減少した場合はエネルギー価格が上昇し、インフレ懸念が強まってビットコインへの下押し圧力となる。

逆に、予想外に在庫が増加すれば原油価格が下落し、追加金融引き締めへの懸念が和らぐ可能性もある。

ビットコインにとって8万ドルが直近のサポートラインとなる。持続的にこれを下回ると、前週の安値を再び試す展開となる。

一方、8万4000~8万5000ドルを回復し、ETF資金流入が加われば、買い需要復活の根拠としてより説得力が増す。

一部アルトコインが売り圧力に逆行する理由

ビットコインだけに弱さが広がっているわけではない。Bitunixが追跡する300銘柄のうち、前週上昇したのは全体の40%にとどまり、中央値リターンはマイナス2.03%となった。その中で一部の小型トークンは大きく上昇した。

ベーシック・アテンション・トークン(BAT)は99.43%急騰した。拡大するBraveブラウザーのエコシステムへの関心が背景だ。Braveは月間ユーザー数1億2800万、Braveリワードカード登録20万件以上を報告している。

投機的取引も上昇を一段と加速させた可能性がある。BAT先物の建玉は1日で60%増加し、資金調達率はマイナス圏が続いた。ショートスクイーズを促す環境といえる。

一方、イーサリアムのスケーリングトークンZKとSTRKはそれぞれ40%以上上昇した。ゼロ知識証明技術への選別的な関心を反映した。

こうした上昇は、市場全体の回復や普及拡大を示すものではない。

11月までにビットコインを動かす主なイベント

  • 10月21日:「米国原油在庫統計」
  • 10月23日:米国ビジネス活動指標と消費者センチメント指数
  • 10月27日~28日:「連邦準備制度理事会(FRB)政策会合」
  • 10月29日:「米国7-9月期GDPと9月PCEインフレ率」

ビットコインの回復により、買い手は8万ドルを維持する余地を得た。この水準が今週持ちこたえるかどうかは、インフレ期待の推移と、需要の強まりが戻るかどうか次第となる。

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