ビットコインはついに本格的な上昇を示し始めている。価格は9万5000ドル台を突破し、本稿執筆時点でその水準を維持。日中で約3.8%上昇、過去30日でも約6.5%上昇。上昇の勢いが市場の雰囲気を一変させている。
勢いが増し主要なレジスタンス水準が近づく中、トム・リー氏が1月に予想した過去最高値の更新も、推測の域を脱しつつある技術的な裏付けが見え始めている。ただしリスクも残る。
Sponsoredカップ・ウィズ・ハンドル型上抜けと良好なオンチェーン供給が一致
ビットコインはカップ・アンド・ハンドル型からのブレイクアウトを確認し、9万4800ドル付近のレジスタンスを強い出来高で突破した。この出来高の増加は、薄い流動性による価格上昇ではなく、実需がブレイクアウトを支えていることを示唆。今回のパターンから算出される目標価格は10万6600ドル。これが最初の大きな上昇目標となる。
ただし、より高い予想を行うには、ビットコインはまず10万ドル(チャート上では10万200ドル)の心理的節目を明確に突破する必要がある。
この水準を突破すれば、トム・リー氏の1月末予想が再び現実味を帯びてくる。
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オンチェーン供給データも強気のシナリオを後押ししている。実現価格の分布が現在のビットコイン価格より下に集中しているため、大半の保有者がより安い価格で購入しており、含み益となっている。これにより短期的な売り圧力は減少。
この強気パターンの確定とオンチェーン供給のサポートを組み合わせることで、上昇は単なる可能性ではなく、市場のポジショニングを反映した動きとなる。
クジラが買い増し、個人参入もレバレッジ懸念続く
大口保有者の動向も引き続き強気を示している。1万〜10万BTCを保有するウォレットは、1月2日以降着実に保有量を増加させ、合計保有量は218万BTCから約220万BTCへ増加。この静かな買い増しは大口投資家の強い確信を示唆。
一方、直近で変化が見られるのは個人投資家の動き。年初のビットコイン急騰時は、個人投資家が積極的に利益確定売りを行ったため、上昇が続かなかった可能性がある。
今回は個人投資家のウォレットがネットで増加に転じている。1月5日以降、小口(0.01~0.1BTC)保有分は約27万3080BTCから27万3250BTCへ緩やかに増加。この増加幅自体は小さいが、方向性が重要。個人投資家は急騰時に売りでなく一部買いに回り、先の上昇局面での逆風が和らいだ形だ。
Sponsored最大のリスクはデリバティブ市場のポジション取りにある。ロングの建玉が極端に多く、ロング(約26億9000万ドル)に対しショート(約3億2000万ドル)が大きく劣勢。ロング偏重は約9倍の開きがあり、ビットコイン価格がカップのブレイクアウト水準を下回った場合には下落に対して脆弱。
9万4800ドルを下回るとロングの清算を誘発し、ビットコインを9万ドル台前半まで押し下げる可能性がある。それでも、直近の現物買いが強く、サポート付近での買い需要がレバレッジ売りの巻き戻し完了前に下げ止まることも考えられる。
ビットコインの過去最高値を左右する重要水準
ここからは、ビットコインの構造は明快。9万4500〜9万4800ドル(カップ型ブレイクアウト水準)を維持できれば、強気相場が継続しやすい。心理的節目の10万200ドル(前述)を超えれば、次に意識される本格的なテクニカル目標はカップ・アンド・ハンドルの到達点である10万6600ドル。ここがまず重要なターゲットとなる。
Sponsored Sponsoredこの水準突破で11万2000ドル超の供給を吸収できれば、市場は過去に強いレジスタンスがほとんど存在しない価格帯に突入する。
これは、過去最高値である12万6,200ドル付近を超えて加速する展開が、理論上ではなく実現可能な状況となる局面。
ビットコインは、完璧な環境がなくても上昇できる。ブレイクアウトを維持し、現物の需要を引き寄せ続けるだけでよい。その状態が保たれれば、トム・リー氏が1月に予想した過去最高値も大げさではなく、現状の市場構造として自然な流れとなる。
現在の水準より上では、最も大きな供給の壁は11万2,000ドル付近に存在する。そのゾーンを超えれば、実現供給は大幅に減少する。勢いに乗って10万6,600ドル、そして11万2,000ドルを突破できれば、過去の高値までの道筋はより明確になる。
一方で下落局面では、9万4,500ドルを割り込むと構造が弱まる可能性がある。さらに9万1,600ドルを下回れば、売り圧力が再び強まる展開も想定される。