ビットコインの大口保有者(クジラ)が買い増し姿勢を鮮明にしている。オンチェーン分析企業サンティメントによると、いわゆる「クジラ」や「シャーク」と呼ばれる層は直近9日間にわたり保有量を積み増した。一方、小口の個人投資家は保有比率を落としており、資金の流れに明確なコントラストが生じている。サンティメントはこの状況を、暗号資産市場が次の局面へ移行するための条件が整いつつあると分析する。
こうした大口と小口の動きの乖離は、相場の変動性が高まる局面で顕在化している。ビットコイン価格は調整が進み、2026年に入ってからの上昇分の大半を失った。市場では、スマートマネーの動向が今後の価格形成にどのような影響を与えるのか、注視する動きが広がっている。
機関投資家がビットコイン積極買い、個人は撤退
2025年の困難な年末を経て、新年のビットコインは好調な滑り出しとなった。1月の最初の5日間で7%超上昇し、リスク資産全体の楽観ムードが支えた。しかし、この上昇基調は短命で、市場の乱高下がすぐに再燃した。
Sponsored先週一時的に値を戻したものの、トランプ米大統領が欧州連合(EU)の8カ国を対象とした関税を発表すると、市場の不透明感が再燃し、リスク資産への圧力から暗号資産市場も再び下落した。
BeInCryptoマーケットのデータによると、BTCは過去1週間で6.25%下落した。昨日は年初来で初めて8万8000ドルを割り込んだ。
本稿執筆時点で、最大手の暗号資産であるビットコインは8万9329ドルで推移し、過去24時間で3.31%下落している。
ボラティリティの中でもクジラやシャークは買い増しを続けている。サンティメントのデータによると、10BTC〜1万BTCまでを保有するウォレットが、過去9日間で3万6322BTC(現在の市場価格で32億ドル相当)を新たに取得したことが分かった。これは大口投資家の保有量が0.27%増加したことを意味する。
この蓄積傾向は、リテール投資家の行動と対照的だ。小口保有者は9日間で132BTCを売却し、保有量は合計で0.28%減った。
通常、これは価格下落時に弱い投資家が離脱し、経験豊富な投資家が押し目買いするサイクルである。
「クリプトのブレイクアウトに最適な条件は、スマートマネーが蓄積し、リテールが売却に動く時である。地政学的リスクを別にすれば、このパターンは長期的な強気の乖離を生み続けている」と投稿には記されている。
注目すべきは、スマートマネーの買い増しが進む一方で、ビットコインに対する市場の見方が依然として分かれている点だ。一部の市場関係者はビットコインが弱気相場サインを見せているとして、更なる下落リスクに警鐘を鳴らす。他方で、長期的回復を後押しする新たな指標に注目する声もある。
当面は、ビットコインが世界的なマクロ経済動向にどれほど敏感に反応するかが重要となる。直近で下落基調が継続するか、あるいは再び勢いを取り戻すかは、グローバルなリスクセンチメントの行方次第となる。