ビットコインの今後の大きな動きは、米国債市場に左右される可能性がある。米国債利回りは過去24年で最高水準まで急騰し、政府債券は投資家にとって魅力的な選択肢となり、暗号資産への新たな売り圧力となっている。
Bitunixの10月市場分析によれば、米10年国債の代表的な利回りは5.35%を突破した。ビットコインは8万2000ドルを下回り、暗号資産市場全体に売りが広がった。
同取引所は、高水準の債券利回りが継続すれば、暗号資産の本格的な回復は困難になると警告している。
米国債利回り上昇がビットコインの脅威となる理由
米国債は政府保証の下、投資家に定期的な利息収入を提供する。利回りが上昇すれば、暗号資産に伴うリスクを取らずとも高いリターンを得られる。
ビットコインは固定的な利息を生まない。このため、米国債利回りの上昇は投資マネーを債券や現金へ誘導しやすい傾向。
Bitunixは、こうした投資家の資金シフトがビットコインや他の投機的資産に追加的な圧力を生んでいると指摘する。
リスクは暗号資産だけにとどまらない。利回り上昇は企業の資金調達コストも押し上げ、テクノロジー株の魅力も損なう。Bitunixは、ストラテジーやサークルなど暗号資産関連株の週間下落も報告している。
一方で、債券利回りの動向が依然としてカギを握る。利回りの持続的な低下はリスク資産への投資意欲改善につながり、ビットコインの回復を後押しする可能性がある。
暗号資産市場の弱含み、ビットコイン以外にも波及
暗号資産の広範な市場は、10月3日から9日にかけて一段と大きな下落に見舞われた。
ビットコインは3.80%下落。イーサリアムは8.39%、XRPは7.09%下落した。
さらに重要なのは、Bitunixが追跡する上位300銘柄のうち上昇したのは全体の約20%にとどまった点。中央値の週間リターンはマイナス5.18%だった。
分散型金融(DeFi)トークンも低調。ユニスワップのUNIは18.37%下落、パンケーキスワップのCAKEは15.92%下落した。
それでも投機的な取引は続く。
ザ・サンドボックスのSANDは57.71%上昇した。Bitunixはプロジェクトのファンダメンタルズ改善が確認できなかったものの、今回の急騰は主にセンチメントと資金の流入によるものと分析。ただし明確な要因の特定はできていないとしている。
一方、コモディティは異なる値動きとなった。金は4200ドルに回復し、ブレント原油は1バレル100ドルを突破した。
10月14日のインフレ指標がビットコインの方向性左右も
次の重要イベントは10月14日。米国が9月の消費者物価指数(CPI)を発表する予定。
Bitunixはインフレ率が3.6%と、前月の3.4%から上昇するとの見通しを示した。
予想を上回るインフレとなれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が高金利を維持するとの観測が強まる。米国債利回りがさらに上昇し、ビットコインを含むリスク資産の追加的な売り圧力につながる。
一方、インフレが予想を下回れば債券利回りの低下につながり、暗号資産の回復支援となる可能性もある。
市場参加者にとって最も重要なのはCPI発表後の米国債利回りの反応となる。
Bitunixの中心的な警告は、米国債のリターンが異例の高水準を維持する間、ビットコインがさらなる下落に対し脆弱な状態が続く可能性があるという点だ。









