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今週注目の米経済イベント4選=米インフレ指標でビットコイン左右

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Shigeki Mori

12日 1月 2026年 16:56 JST
  • 米国のCPIとPPIの結果が、利下げ観測と直近のビットコインの変動性を左右する見通しだ。
  • 最高裁の関税判決は、インフレ見通しやドルの強さ、ビットコインのリスク志向に影響を与える可能性がある。
  • 失業保険申請件数は労働市場の動向を示し、インフレ指標による変動を一段と強める役割を果たす。
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今週は米国でインフレ指標をはじめとする主要な経済指標の発表が相次ぐ。金融政策の先行きを占う材料として市場の関心は高く、暗号資産市場でもビットコインの価格変動要因となりそうだ。とりわけ米金融当局の利下げ観測に影響を与える統計は、リスク資産全般の投資家心理を左右する。

投資家は1月12日から17日にかけて発表される4つの重要経済イベントを注視することで、ビットコインを含む暗号資産の値動きを見極め、ポートフォリオ戦略の再構築を迫られる局面となる。米国マクロ指標と暗号資産市場の連動性が、改めて試される週となりそうだ。

今週注目の米国経済イベント4選

4つのマクロ経済イベントは火曜日から木曜日に集中しており、この期間中はビットコイン価格の変動性が高まる可能性がある。

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US Economic Events this Week
今週の米国経済イベント 出典: Trading Economics

米国CPI:2025年12月分のデータ

火曜日に発表予定の米国消費者物価指数(CPI)は、今週最も注目されるマクロ指標であり、市場ではインフレ鈍化傾向の継続が織り込まれている。

ヘッドラインCPIは前年同月比で約2.7%(11月と同水準)、コアCPIは2.6〜2.7%が予測されており、2025年末からのディスインフレーションの勢いを反映。

これは、11月の報告が予想を下回ったことを受けたものであり、2026年のFRB金融政策緩和への期待を高めている。

予想より数値が下振れした場合(インフレ鈍化)は、1月下旬のFOMC会合を前に利下げ観測が強まり、ドル安とBTCのようなリスク資産の上昇要因となる。

予想を下回るCPIサプライズがあればビットコインが上昇する可能性がある。これは流動性緩和で「デジタルゴールド」への投資が促されるため。一方で予想を上回ると短期的なボラティリティや下落圧力が強まり、FRBのタカ派姿勢が強まりビットコインは9万ドル付近のサポートを試す展開となり得る。

Bitcoin (BTC) Price Performance
ビットコイン(BTC)価格推移 出典: BeInCrypto

ビットコインは本稿執筆時点で9万1977ドル付近で推移しており、変動幅は限定的。CPIが予想を下回ればリリーフラリーに発展する展開もあり得る。全体的にはポジティブな見通しが優勢で、ボラティリティは想定されるものの、ハト派的な展開では上昇余地が意識される。

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米国11月PPI発表

今週注目すべき米経済指標としてもう1つ挙げられるのが、水曜日発表予定の生産者物価指数(PPI)であり、2025年11月分データが対象。PPIはインフレ先行指標であり、しばしばCPIの動向を予見する。

予測は前年同月比2.7%程度で安定しており、直近データと同水準。コアPPIも同様の水準が見込まれ、貿易不透明感が続くなかパイプライン上のインフレ圧力は抑制されていると見られる。

特に米PPIはFRBの政策期待観測を左右する重要経済指標である。数値が鈍化すればディスインフレーション観の補強となり、さらなる利下げを後押しし、流動性改善によってビットコインのようなリスク資産にもプラス材料となる。

これは生産者物価の鈍化でドル高圧力が緩和され、BTCのような高ベータ資産への資金流入が促進される構図に合致する。

一方で数値が予想を上回ればインフレ長期化への警戒が高まり(特に関税を巡る議論が加わる状況下)、金利上昇や暗号資産市場の重しとなる可能性もある。

X(旧Twitter)でのビットコインのセンチメントは慎重ながら楽観的。PPIは火曜日のCPIの後のサブ的・確認的な指標として受け止められている。インフレ鈍化傾向と合致すればCPI発表後の上昇を追認し、ビットコインは9万2000ドル超の水準を維持・回復できる可能性がある。

反対に、上振れサプライズとなった場合は一時的な調整で8万8000~9万ドル付近まで下落する可能性もある。ただし最近のマクロ環境下でもビットコインの底堅さが目立つため、PPI単独で大きく相場を動かす可能性は低いものの、良好な結果ならリスクオン加速要因となりえる。

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次回の最高裁判所意見発表日

最高裁判所は係争中の案件に関する見解を公表する可能性があり、その中にはトランプ前大統領による関税問題の判断も含まれる。1月14日の最高裁見解発表日は、国際緊急経済権限法に基づく「解放の日」関税の適法性が最終的に問われるタイミングとして、非常に重要視される。

1月9日には判断が出なかったが、Polymarketでは27%の確率で最高裁がこの関税を違法と判断し、1,330億〜1,500億ドル超の関税還付が求められるとの展開が意識されている。

Probabilities of the US Supreme Court Ruling in Favor of Trump Tariffs
トランプ関税を支持する米最高裁判所判決の確率 出典: Polymarket

水曜日の判決は、ビットコインにとって大きなマクロ要因となり得る。もし無効と判断されれば、以下の効果が見込まれる。

  • インフレ期待の低下(関税はインフレ要因とみなされている)
  • 金融環境の緩和
  • ドル安
  • リスク選好の高まり

これらすべてがBTCのヘッジとしての役割を強め、上方へのボラティリティや資金流入を伴うリリーフラリーを喚起する追い風となる展開が予想される。

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一方、最高裁がトランプ関税を支持する場合(現状では可能性が低いが)、貿易摩擦が継続し、インフレリスクを高め、短期的にはリスク資産に圧力となる。

新規失業保険申請件数

木曜日発表の新規失業保険申請件数は、米労働市場の健康状態を示す最新指標で、直近の発表でも底堅さが見られた。前週はおよそ20万8000件で、市場予想の21万件超を下回った。

予想は22万件前後で推移し、過熱感なき安定が続く見通し。このデータは、先週失業保険を申請した米国民の数を示し、FRBの重要な指標とされている。

件数が少なければ(解雇が減少すれば)、ソフトランディング期待が高まり、積極的な利下げへの圧力が弱まるため、短期的にはBTCの上値を抑える可能性がある。

一方、件数が多くなれば(解雇増加)、雇用冷え込みが示唆され、利下げ期待が高まり、資金供給への期待からビットコインの強気材料となる。

予想外の低水準なら利回りが上昇し、BTCは8万8000ドルを目指して下押し圧力がかかる。一方で高水準なら、CPI/PPI発表後の強気な流れが続く可能性もある。

トレーダーはこれを決定打より補強材料とみるが、インフレ関連指標の多い今週のボラティリティを一段と高める要因となる。

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