暗号資産運用を軸に事業を展開する米ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(BMNR)は5日、イーサリアムの保有量が414万ETHに達し、時価換算で約1兆3200億円規模になったと発表した。全供給量の3.43%を保有する計算で、このうち約77万9000ETHはステーキングに回し、継続的な運用収益を得ている。
積極的な積み増しと運用を進める同社の姿勢は、同日に第4四半期で約1兆7000億円に及ぶ未実現損失を公表した米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)とは対照的だ。暗号資産を「保有資産」として抱え込むか、「運用資本」として回転させるか。企業の暗号資産戦略の違いが、財務指標の明暗を分けつつある。
SponsoredBitmine、ステーキング利回りに注力
Bitmineのトム・リー会長は、2025年の最終週に3万2977ETHを追加取得し、グローバルで最大の「新規資金」によるイーサリアム買い手である地位を維持したと述べた。同社はイーサリアム全供給量の5%取得を目標に掲げており、リー会長はこれを「5%の錬金術」と呼ぶ。
「イーサリアムには米政府の暗号資産支援やウォール街でのステーブルコイン・トークン化の受容といった複数の追い風があり、2026年の見通しに大きな期待を寄せている」とリー会長は述べた。
一方、Onchain Lensのデータによると、Bitmineはさらに18万6336ETH(6億400万ドル相当)をステーキングし、ステーキング総保有量は77万9488ETH(25億2000万ドル相当)に増加した。
Bitmineのステーキング戦略は、デジタル資産財務の根本的な弱点をカバーする。暗号資産保有は収益を生まないが、企業には債務返済や配当支払いの義務がある。同社は2026年第1四半期中に「Made in America Validator Network(MAVAN)」の立ち上げを予定。全面稼働時には年間374億円(1日あたり1億円超)のステーキング収入を見込んでいる。
ストラテジーの連敗が拡大
ビットコイン財務の先駆けであるStrategyは、マイケル・セイラーCEO率いる中で逆風にさらされている。2025年に株価は48%下落し、2024年11月のピークからはほぼ70%下落した。同社は第4四半期だけで未実現損失1744億ドルを計上した。2025年通年では54億ドル減にとどまったが、年初の利益が第4四半期の下落を一部相殺した形。
株価は2025年だけで48%下落、2024年11月のピークからほぼ70%の下げ。mNAV(時価総額と負債をトークン保有量で割った指標)は1を上回る程度に低下し、かつてレバレッジ型ビットコイン投資に対して投資家が支払っていたプレミアムは消失した。Strategyは12月に22億5000万ドルの現金準備を設定し、債務返済への懸念に対応したが、67万3783ビットコイン(約6兆3000億円相当)からは収益を生み出していない。
2つのモデル、1つの問い
両社とも暗号資産の価格変動リスクを抱えるが、収益を生むステーキングと値上がり益一本という対照的な手法のどちらが、機関投資家の参入加速下で持続的な財務モデルとなるのか注目される。