分散型AI向け暗号資産のBittensor(TAO:ビットテンソル)が6日、取引で約10%上昇し、290ドル台を回復した。資産運用大手のグレースケールが「Grayscale Bittensor Trust(GTAO)」を正式に立ち上げたことが材料視された。分散型AIネットワークへの投資機会を提供する規制対応型商品は限られており、暗号資産を通じたAI分野へのエクスポージャーとして市場の注目を集めた。
TAOの価格は数週間ぶりの高値圏に入り、24時間の取引高は2億3000万ドルを超えた。供給量の増加が抑制されているAI関連銘柄を中心に、機関投資家の資金流入期待が強まっており、暗号資産市場におけるテーマ型投資の広がりを映す動きとなっている。
SponsoredグレースケールがTAOへの規制対応投資を開始
グレースケールによれば、このトラストは従来の証券構造を通じて、ビットテンソルのネイティブトークンTAOへのエクスポージャーを投資家に提供し、資産を直接購入・保管する必要がない。
トラストの持分はOTC MarketsでGrayscale Bittensor Trust(GTAO)のティッカーで取引されている。
グレースケールによると、GTAOは手数料および経費を差し引いた上で、Coin Metrics Real-Time Bittensor Reference Rateを用いてTAOの市場価格に連動することを目指す。
1月5日時点で、このトラストの総経費率は2.5%、1口当たり純資産価値は7.96ドルだった。
今回のローンチは、Bittensorエコシステム内の一連の構造改革に続くもの。12月中旬には、ネットワーク初の半減期が実施され、TAOの1日当たり新規発行量が約50%削減された。
この施策によりインフレが抑制され、供給の引き締めが導入された。これによって、ビットテンソルの構造はビットコインの希少性モデルと類似するものとなった。
また、グレースケールはすでに米規制当局に対し、このBittensor Trustを現物ETF化する申請を提出済み。これは、グレースケール・インベストメンツがビットコインやイーサリアム以外にも規制下の暗号資産エクスポージャー拡大を目指す取り組みの一環。
承認時期は依然不透明だが、今回の申請によってTAOの機関投資家によるアクセス強化というストーリーが広がった。
ビットテンソルは、機械知能の分散型マーケットプレイスとして稼働しており、参加者はネットワークにコンピュートリソースやAIサービスを提供することでTAOを得る。
このプロトコルは、ブロックチェーンを活用した中央集権型AIインフラの代替を模索する投資家から注目を集めている。
発行量減少、ステーキング活動の活発化、新たな規制下でのエクスポージャー確立を背景に、TAOの直近の価格動向は、資産の長期的ポジショニングを市場が再評価していることを示唆する。