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ブラックロック、260億ドルファンドの換金制限 ビットコイン・イーサリアムとの関係

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執筆&編集:
Lockridge Okoth

07日 3月 2026年 02:19 JST
  • ブラックロックは、260億ドル規模のプライベートクレジットファンドで換金要請の増加を受け、引き出しに上限を設けた。
  • 流動性逼迫が暗号資産市場に波及し、ビットコインやイーサリアムの売りを誘発する可能性がある。
  • ブラックロックの動きが、中央集権型と分散型の流動性リスクを巡る議論を呼んでいる。
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世界最大の資産運用会社ブラックロックは、主力プライベートクレジットファンドの1つにおける投資家の引き出しを制限した。この動きは、内部基準を超える償還請求の急増を受けたもの。

この措置は伝統金融(TradFi)の仕組みに影響を与えるものだが、その背後にある流動性圧力はビットコインや暗号資産市場にも波及する可能性。

ブラックロック、換金請求急増で引き出し制限

ブラックロックのHPSコーポレートレンディングファンド(運用資産260億ドル)は、引き出しを制限した。フィナンシャル・タイムズによると、投資家は約12億ドルの償還を申請し、これは同四半期のファンド純資産価値(NAV)の9.3%に相当。

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しかし、このセミリクイッド型ファンドが認める四半期ごとの引き出しは最大5%まで。このため、ブラックロックは約6億2000万ドルの支払いのみ承認し、残りの投資家の償還請求を先送りすることを余儀なくされた。

HPSをはじめとするプライベートクレジットファンドは、オープン市場でほとんど取引されない企業向け貸付に投資するのが一般的。

そのため、投資家が基礎資産以上の現金を引き出すことを防ぐため、引き出し上限(ゲート)を設けている。

この決定は、投資家が資産クラスを見直す中で、プライベートクレジット業界に広がる圧力のさなかで下された。最近、BeInCryptoは、Blue Owlがリテール型プライベートデットファンドの償還条件を調整したと報じた。

ブラックロック同様、Blue Owlの決定も引き出し圧力の高まりが背景。

信用リスクやリターン低下への懸念を受け、多くのファンドが償還請求の増加に直面している。

また、ブラックストーンが運用する類似のビークルも、発行済株式の7.9%に相当する記録的な引き出し要請に対応、最終的には全件を履行した。

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ブラックロックの引き出し制限のニュースは市場に即時の反応をもたらした。この報道を受け、同資産運用会社の株価は市場開始時に約6%下落したという。

ブラックロック(BLK)株価推移
ブラックロック(BLK)株価推移 出典: Google Finance

流動性逼迫が暗号資産市場にも波及懸念

この引き出し制限はプライベートクレジットファンドに関わるものだが、影響範囲はTradFiだけにとどまらない。

「ブラックロックのような大手が私募ファンドでゲートをかければ、流動性ひっ迫の合図。プライベートクレジットで立ち往生した投資家は、他で現金化するため『流動性のある』資産――ビットコインやイーサリアム――を売るだろう」と投資家ポール・バロン氏は投稿

言い換えれば、投資家が流動性に乏しいプライベートクレジットから資金を引き出せない場合、即座に売却できる公開市場の資産に目が向く

このリストには、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産がますます含まれるようになっている。

過去の金融ストレス期においても、投資家は追証や現金需要に備え、株式や金、暗号資産など流動性の高い保有資産を売却する動きがみられた。

一方で、こうした引き出し制限が金融市場全体の深刻なストレスの表れである可能性に警戒するアナリストもいる。

「これは重大な警告。何か大きなことが迫っている」市場アナリストのジェイコブ・キング氏は述べた

CeFiとDeFiの新たな論争

流動性の波及リスクにとどまらず、今回の事態はTradFiとDeFiの構造的な優劣に関する議論も再燃させている。

バロン氏は、プライベートクレジットファンドは中央集権型金融のリスク――すなわち資金の引き出し可否を運用者の判断に委ねるリスク――の縮図だと主張する。

「プライベートクレジットでは、あなたはファンドマネージャーの“ゲート”に屈するしかない。しかしDeFiでは、流動性の多くが透明でコードによって自動管理されている」と同氏。

DeFiプロトコルはブロックチェーン上で運用され、一般的に自動化された流動性プールを利用する。そのため、引き出しルールは誰でも確認でき、資産運用者でなくスマートコントラクトが規定する。

機関投資家の暗号資産参入が加速の可能性

流動性起因の売却リスクが短期的にあるとしても、伝統金融のストレスは長期的にはブロックチェーンベースの金融インフラ強化につながる可能性。

伝統金融に流動性制限が設けられるたび、透明性やプログラム性、24時間取引といったDeFiのメリットに注目が集まる。市場の混乱は、将来の新しい機関投資家向け暗号資産商品の登場を加速させるかもしれない。

とはいえ当面は、世界の金融市場同士が緊密に結びついている現実を浮き彫りにしている。

たとえプライベートクレジットファンド1つの引き出し制限であっても、広範な資金フローを注視する暗号資産トレーダーに影響を及ぼす可能性がある。

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