ビットコインのDeFi領域で利用されるビルド・オン・ビットコイン(BOB)トークンが12月上旬、前日比で2倍超の上昇となり、市場ではいわゆる「ゴッドキャンドル」を示現した。短期的な値動きは投機資金を呼び込んでいるものの、保有者の偏在や流動性管理の不透明さなど、基礎的条件を踏まえると慎重な見方も強まっている。
BOBに集中リスク 大口が供給の大半を保有
SNS上では、BOBのトークン設計を巡り警戒感が広がっている。ブロックチェーン監視サービスのGo Plusセキュリティによれば、上位10保有者が全供給量の93%超を握る。供給が特定ウォレットに偏在すると、大口による売却や価格操作が市場全体の値動きを左右しやすくなるとされ、透明性を欠くプロジェクトに見られる典型的なリスクと指摘される。
Sponsored流動性未ロック―ラグプル懸念が残る
さらに、BOBの流動性プールは未ロックの状態にとどまっている。ロックが施されていない場合、運営者や悪意ある第三者が流動性を瞬時に引き上げ、トークン価格が急落する「ラグプル」に発展する可能性がある。プロジェクト側による説明は現時点で十分とは言えず、個人投資家の間では、急騰局面での安易な追随を避けるべきだとの声が目立つ。
トークンのテクニカル分析と市場の最新情報:さらに詳細なインサイトをご希望の場合は、編集者ハルシュ・ノタリヤが毎日お届けするニュースレターにご登録ください。
技術的には、BOBの最近のパフォーマンスはさらに懸念の材料だ。Chaikin Money Flow(CMF)指標は数日間一貫して流出を示しており、資本が流出していることを示しているにも関わらず価格は急上昇している。この乖離は、主にブームと薄い流動性によるもので、本物の需要ではないことを示唆している。
107%の日次急騰は支える流入がなければ通常投機的な動きと言えることが多く、急反転の可能性が高い。高い水準を維持するための実際の買い圧力がないことは、急激な調整の確率を高める。資本の支援がない勢いは、DeFi市場では長く続かない。
BOB価格急落
BOBは今日の急騰中に0.0294ドルの過去最高値に達した後、約15%押し戻され、ボラティリティの懸念が浮かび上がった。トークンは0.0238ドルのサポートを上回っているが、基礎が弱く投機的な性質のため、この水準を維持する可能性は低い。
センチメントが変わり保有者が売却し始めると、BOBは0.0195ドルにすばやく下落し、流動性が干上がるにつれさらに0.0146ドルまで落ち込む可能性がある。これにより最近の利益の多くが帳消しになるだろう。
しかし、ファンダメンタルズが改善し、実際の投資家による支援が現れれば、BOBは0.0294ドルの過去最高値に向けた反発を試み、さらに0.0320ドルを超える可能性がある。この展開は弱気な見方を否定することになるだろう。