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ビットコイン取引ペア、バイナンスで一時2万4000ドルに急落

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著者:
Nhat Hoang

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編集:
Shigeki Mori

25日 12月 2025年 21:57 JST
Trusted-確かな情報源
  • バイナンスのBTC/USD1急落で、新たに導入された通貨ペアに流動性リスクが露呈した。
  • 休日による取引量の低下と1ドルのプロモーションが、急激な価格変動を引き起こした可能性がある。
  • ビットコインとテザーの深い流動性により、同様のフラッシュクラッシュが発生する可能性は極めて低い。
プロモーション

バイナンスのBTC/USD1取引ペアで25日、一時的なフラッシュ・クラッシュが発生。ビットコインは2万4000ドルまで急落し、その後すぐに回復した。

この事象はBTC/USDTなど主要ペアのビットコイン価格には影響しなかった。しかし、新規上場ペアにおける流動性リスクが浮き彫りとなった。

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BTC/USD1が2万4000ドル急落、流動性リスク顕在化

バイナンスの市場データによると、今回の事象はわずか数秒間で終了した。BTC/USD1の価格はその後、8万7000ドル超で安定した。

USD1はWorld Liberty Financialが発行する新たなステーブルコイン。トランプ米大統領の一家がプロジェクトを支援している。

バイナンスのチャートには大きなヒゲが現れた。この動きによる清算被害は生じなかった。

BTC/USD1 price performance. Source: TradingView
BTC/USD1の価格推移 出典:TradingView

この事象はクリスマス休暇期間中に発生した。当時は取引量が大きく減少していた。一部では今回の動きがBTC/USD1ペアの流動性テストだったとの憶測も見られた。

Alphractal創設者のジョアン・ウェドソン氏は、この現象が弱気相場でより頻繁に見られると説明した。資金流入が停滞しやすいからだ。

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「複数取引所の一部ペアで流動性が低下した結果、急激なボラティリティが生じている。数分間の一時的な価格乖離と裁定問題を招くこともある。弱気相場では意外とよく起こる現象だ」とジョアン・ウェドソン氏が述べた

投資家コミュニティのさらなる分析では、今回の事象をバイナンスによるUSD1キャンペーンと関連付けている。バイナンスは1人あたり最大5万ドル相当USD1で年率20%のプロモーションを新たに開始したばかりだ。

信頼性の高い市場観測アカウントWuBlockchainは、ローンチ直後にUSD1供給量が急増したと報じた。数時間で4560万枚以上が増加し、時価総額は27億9000万ドル超へ拡大した。

USD1への資金急流入で、ステーブルコイン価格は0.2%上昇した。

USD1 Price Performance. Source: CoinGecko
USD1価格の推移 出典:CoinGecko
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XアカウントPunkは、多くの投資家が裁定取引を試みたと説明した。彼らはUSD1を借りて、プロモーション参加者に段階的に現物売却した。

一方、一部トレーダーはBTC/USD1ペアで売却を選択。薄い流動性が予想外の結果を招き、価格が急落した。

「これは弱気相場でよくある小さな変動に過ぎない。気にしなくてよい。今後もこうした変動は多発するだろう」と投資家Punkがコメントした。

同様の事態はBTC/USDTでも起こり得るか

より大きな問いが浮かぶ。BTC/USDTでも同様の事象は起こり得るのか。このペアは市場で最も流動性が高い。急落すれば大規模な清算損失を招く。

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アナリストのマールトゥン氏はKaikoデータを引用。ビットコインの1%深度が年々大きく増加していると指摘した。

「流動性は単に回復しただけでなく拡大した。2025年10月の高値時、バイナンスの1%深度は6億ドルを超えた。これは2022年以前の水準を上回る」とマールトゥン氏が述べた

Bitcoin Market Depth on Binance. Source: Kaiko
バイナンスにおけるビットコイン市場の深度 出典:Kaiko

同氏はまた、BTC/USDT価格の下落でも流動性は損なわれなかったと強調した。100日超の期間でBTC/USDTは21.77%下落(11万291ドルから8万6089ドルへ)。その間、1日平均現物取引高は198億ドル、累計6135億ドルに達した。

市場の板厚が深く、取引量も豊富であるため、BTC/USDTで同様の事象が発生する可能性は低い。

ただし、この事例はトレーダーに対する教訓となる。取引ペアの慎重な選択が不可欠。流動性の低いペアでは、大きなスリッページや予期せぬ損失を招く。

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