ウォール街の大手金融機関カンター・フィッツジェラルドが、金とビットコインの特性を組み合わせた新しい投資商品を発表した。
同社は月曜日、「カンター・フィッツジェラルド・ゴールドプロテクテッド・ビットコインファンド」を立ち上げたと発表した。
リスクとリターンのバランス
この新ファンドは、金とビットコインを組み合わせることで下落リスクを抑制しつつ、投資家が得られる上昇益の一部を制限する仕組みを採用している。
Sponsored投資家は5年間でビットコインの上昇分の45%を享受できるが、ビットコインが下落した場合には金のリターンを用いて元本を最大100%保護する設計だ。
そのため、仮にビットコインが大幅に上昇しても、投資家の取り分は上昇分の45%に限定される。
カンター・フィッツジェラルドは、本商品を「短期的なボラティリティを抑えつつ、長期的なビットコイン上昇の恩恵を享受できるファンド」と位置付けている。
戦略的タイミングと保護
グローバル資産管理責任者ビル・フェリ氏は「タイミングと保護が重要だ。特にリスク資産が過去最高値圏にあるときはなおさらだ」とコメント。価格が高水準にある局面でのリスク低減の必要性を強調した。
会長のブランドン・G・ルットニック氏も「ビットコインを投機的リスクから戦略的機会へと捉え直すための商品だ」と述べた。同ファンドは高資産家や機関投資家向けに提供される。
なお、カンター・フィッツジェラルドはテザー(USDT)の準備資産を管理している企業でもある。
今年4月には、テザーやソフトバンクと提携し、ビットコイン蓄積を目的としたDAT企業「トゥエンティワン・キャピタル」を立ち上げている。
ハワード・ルットニック氏は同社CEOを務め、トランプ政権下で商務長官も歴任した人物として知られている。