カルダノ価格は年初来最安値近辺で推移している。トークン価格は過去30日で約24%下落し、過去24時間でも約5%下落、年初来最安値である0.37ドル付近に迫る展開。今回の下落で注目すべき点は、下落幅だけでなく、その背後にある構造にある。
わずか2か月の間にカルダノは、2度のベアリッシュ継続パターンによる下方ブレイクを記録。チャートには新たな下落圧力がかかり、さらなる下落リスクが浮上している。
Sponsored2か月連続の下落で構造的弱さ浮き彫り
最初の下方ブレイクは11月初旬に発生した。ADAは10月下旬にベアフラッグを形成し、11月11日頃に下抜けた。この動きで、フラッグ高値から約38%の急落となった。
その後、短い持ち合いを経てカルダノは再び同様のパターンを繰り返した。2度目のベアフラッグは11月下旬から12月上旬にかけて形成され、12月11日に再び下方ブレイク。わずか2か月間で2度目の継続的な下落を確認した形だ。
トークンのテクニカル分析と市場の最新情報:さらに詳細なインサイトをご希望の場合は、編集者ハルシュ・ノタリヤが毎日お届けするニュースレターにご登録ください。こちら。
市場で連続してベアリッシュな継続パターンが出現し、かつ有意な戻りがない場合は、パニック売りではなく売り手が主導権を握っているサインとなる。今回の下方ブレイクも最初と同じだけの下落幅が出れば、下値目標は0.25ドル付近に集中することとなる。
Sponsored Sponsoredこの弱さが損失拡大を抑制する理由
弱気な構造ではあるが、下落リスクをやや和らげる要因も2つ存在する。
まず、デリバティブ市場のポジションがすでに極端な弱気に傾いている点だ。Gateの清算データによれば、ロングのレバレッジ残高は薄く、ロングポジションが約2700万ドル、ショートのエクスポージャーは約1億3500万ドルで5倍。ロング清算クラスターも0.36ドル付近で終わっているため、このレベルで強制的な売り圧力は大幅に減少する。ロングポジションが過密でないため、清算連鎖のリスクが少ない構図である。
次に、長期保有者の動向が安定している。1年~2年保有コホート(高い信念を持つ保有者層とされる)は「Spent Coin」指標を見ると、売却行動が急減している。
Sponsored Sponsoredこのコホートによるコイン移動量は、12月10日以降で6億6624万ADAから248万ADAにほぼ99.6%減少。弱含みな価格にもかかわらず、確固たる保有者による売り圧力は枯渇している。
簡単に言えば、ADAの弱さはレバレッジを遠ざけ、長期売りも沈静化しつつあるため、市場全体のストレス時には一時的な下支えとなる可能性がある。
注目すべきADAの主要価格水準
カルダノの価格チャートは脆弱な状態が続く。0.36ドルが直近でもっとも重要なサポートライン。これは前述の清算マップでも示されている水準だ。
Sponsoredこの水準を明確に割り込むと0.33ドルが視野に入り、そこを超えてブレイクすると、下落目標である0.25ドル付近が現実味を帯びる。
トレンド転換となる上昇には、ADAが0.48ドルを明確に回復することが不可欠。それまでは戻りも調整局面に留まり、大きな潮流は変わらない。
2か月で2度の下方ブレイクがトレンドを形作る。下落幅の大きさ自体が落下スピードを緩める可能性もあるが、この構造が改善しない限り、0.25ドル試すリスクは無視できない状況だ。