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中国で銀が過去最高値=ビットコインは停滞

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編集:
Shigeki Mori

26日 12月 2025年 11:11 JST
Trusted-確かな情報源
  • 銀の現物供給の逼迫と産業需要の強さを受け、中国で銀価格がクリスマスに過去最高値を付けた。
  • ビットコインは連休中の閑散相場で横ばいとなり、安全資産としての資金流入は限定的だった。
  • この乖離は、実物資産の希少性がデジタル資産より市場を動かすという大きな構造変化を浮き彫りにしている。
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銀(シルバー)市場はクリスマスの25日、明確なシグナルを示した。ビットコインが薄商いの休日相場で静かな値動きとなる中、中国の銀価格は逼迫した現物供給と旺盛な工業需要を背景に、史上最高値をつけた。

この乖離は、マクロ経済の大きなテーマを際立たせる。逼迫や地政学的な緊張の局面では、資本はデジタル資産よりもハードアセットに流れる傾向。

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中国の銀現物不足が相場を押し上げ

今回の銀価格急騰は中国発。12月25日に現地価格が過去最高値を記録した。中国では明らかな現物銀不足が生じている状況。

世界的に見ると、スポット銀は直近の過去最高値付近、1オンスあたり72ドル前後で推移。今年は価格が120%超上昇した。

金価格も今年大きく上昇し、約60%上昇となった。一方、ビットコインは10月に12万ドル超えの高値をつけた後、12月は下落で終えた。

中国のスポット市場・先物市場はロンドンやCOMEXの指標に対し継続的にプレミアムを維持。

一時、契約が逆ザヤ状態となる場面も見られた。これが即時的な供給不安を示す。中国は世界の工業用銀需要の半数以上を占めるため、現地不足は世界的な問題となる。

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この圧力の主な要因は複数ある。最大の牽引役は太陽光パネル製造で、電気自動車の生産も増加中。

電気自動車1台あたりの銀使用量は従来車を大きく上回る。特にパワーエレクトロニクスや充電インフラ領域で需要が大きい。

同時に、送電網の拡大やエレクトロニクス製造も需要の押し上げ要因。

2025年12月の銀価格チャート 出典: BullionVault
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ビットコイン停滞 年末相場に異変

対照的に、ビットコインはクリスマス当日にもほとんど動意を見せなかった。低出来高の中、価格は横ばい。ファンダメンタルズの変化ではなく、主に機関投資家の参加減少に起因する。

ただし、防衛的資金流入の欠如は際立つ現象。

2025年末のビットコインは、危機時のヘッジというより、高ベータの流動性資産の側面が強い。現物不足や供給網の逼迫が主題となる中で、投資家はデジタル資産より金属を選好した。

2025年クリスマス週のビットコイン価格チャート 出典: CoinGecko
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地政学リスクもその傾向を強化中。ウクライナや中東の紛争による国防費拡大で、軍用エレクトロニクスや弾薬向けの銀需要が増している。

投資用銀と異なり、この分野で消費された銀の多くは回収不能。

銀とビットコインの乖離は、より大きなマクロ経済上の意味を示す。デジタルな希少性だけでは、供給ショックの中で資本を十分に惹きつけられなかった。

特にエネルギーや防衛、産業政策に直結した現物の「希少性」は変わらず重要。

2026年に向けて、市場でのこうした違いが、単なるリスク選好だけでは測れない資産パフォーマンスの差を左右すると考えられる。

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