コインベースが新たなウォレットサービス、「Wallet as a Service」をローンチすることを発表
大手仮想通貨(暗号資産)取引所のコインベースが本日3月9日に新たなウォレットサービスである、「Wallet as a Service(WaaS)」をローンチすることを発表した。今回発表されたウォレットWaaSでは、どの企業でも顧客のために完全にカスタマイズ可能なオンチェーンウォレットを構築でき、Web3製品とサービスの採用を合理化を図ってゆくことに役立つとしている。
これまで、Web3ウォレットではその操作の複雑さ、UIUXの悪さなどの課題を背景に、マスアダプションをしてゆくことに苦労してきた。今回発表されたWaaSでは、スケーラブルかつ、安全性の高いウォレットインフラであるAPI(ウォレットアプリケーションプログラミングインターフェイス)がセットで提供される。これにより企業はアプリケーションにネイティブウォレットを構築することが可能になる。そのためユーザーを別のサイトやアプリにアクセスさせる必要がなくなり、企業はIDとパスワードの入力のみの簡単なユーザーオンボーディングを提供が可能となる。また、APIを使用したウォレットの提供により企業はゲーム内のアイテムや通貨の交換や、トークンベースの報酬などロイヤルティプログラム新たなサービスを構築するなどのweb3の新たな可能性を追求することが可能となる。
さらに、WaaSではMPC(マルチパーティ計算)と呼ばれる暗号技術を採用しているため、エンドユーザーは複雑な24語のフレーズを管理することなく、ウォレットを使用することが可能となっている。MPCでは、ユーザーの秘密鍵をキーを安全に分割、暗号化、プロトコルの関係者に配布を行うことで、秘密鍵の安全性が高くなりユーザー資産を安全に保つことが可能になるという。WaaSではこの機能により、従来のユーザーがキーを単独で管理する必要があるという状況を改善している。つまりユーザーは自身のデバイスが危険にさらされたとしても、セルフカストディのキーは安全であるということだ。加えて、MPCによる高度な自動バックアップ機能により、ユーザーが自分のデバイスにアクセス不可になった場合においても、ウォレットのキーは安全であり、安全に保管することが可能だという。
WaaSは現在、Floor、Moonray、thirdweb、tokenproofなどの企業で既に使用されているという。昨今の様々な企業によるウォレットサービス開始により、ウォレットサービスの覇権をめぐる競争は今後より激化するであろう。
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