韓国第3位の暗号資産取引所であるCoinone(コインワン)は27日、コインベースへの株式売却を巡る協議報道を否定した。米国最大手取引所が流動性に富む韓国市場に再進出するとの観測に冷や水を浴びせた形だ。
この否定は、急速な再編が進む国内市場にあっても、世界的な取引所が韓国の厳格に規制された暗号資産業界に進出するのは依然として困難であることを浮き彫りにするもの。
Sponsored売却報道も「根拠なし」
この否定は、ソウル経済新聞が1月25日に報じた内容を受けたもの。記事は、チャ・ミョンフン会長が持分の一部売却を模索しており、買い手候補としてコインベースの名が挙がっていると伝えた。報道によれば、コインベース幹部らは今週 韓国を訪れ、Coinoneを含む主要地場企業との面談を予定していた。
「株式売却に関する報道は、すべて根拠のないものだ」とCoinone広報担当者が地元メディアに語った。「海外取引所や国内企業から様々な提携提案が寄せられているのは事実だが、あくまで事業拡大の可能性を探る一環として複数の関係先と接触している段階。これを株式売却と解釈するのは事実と異なる。」
同社はさらに、海外取引所や国内企業との提携には引き続き前向きなものの、現時点で具体的な計画や交渉は一切存在しないと付け加えた。
市場の反応
否定発表にもかかわらず、市場は最初の報道で大きく反応した。Coinoneの第2位株主で持分38.42%を持つCom2uS Holdingsの株価は月曜、17%超上昇した。一時は2万6300ウォンまで上昇し、終値は2万3850ウォンとなった。
こうした急反応は、より広範な市場認識を反映している。韓国の暗号資産取引所が業界全体の再編の中で、有力な買収ターゲットとなっている証左である。
Sponsored規制強化の圧力が高まる
株式売却観測のタイミングも注目点。韓国の規制環境が変化する中、金融委員会(FSC)は、主要株主持分を15~20%に規制する案を第2段階の仮想資産関連法の一部として提案している。利用者が1100万人規模に上る取引所における所有の集中を懸念したもの。
チャ会長は、個人の持分(19.14%)と持株会社The One Group(34.30%)を通じてCoinoneの53.44%を保有。この規制が施行されれば、コインベースの関与有無にかかわらず、大幅な持分縮小が求められる。
ただし、与党・共に民主党は1月20日、今回の法改正では持分規制を盛り込まないと決定。ただ、市場の集中やセキュリティーの懸念が高まれば、今後再浮上する可能性が指摘されている。
再編の波
Coinoneをめぐる観測は、韓国の暗号資産取引所業界で前例のない再編が進む中で浮上した。NAVER Financialと、国内最大手Upbitを運営するDunamuは株式交換による経営統合を承認。未来アセット証券は、第4位Korbitの買収を目指す。バイナンスも最近、第5位のGopax買収について最終規制承認を取得した。
韓国の暗号資産市場は高度に集中している。政府の集計によると、UpbitとBithumbでシェア97%超を占有。Coinoneのシェアは公式統計で約1.5%だが、CoinGeckoの独自推計では1月時点で約6.6%に伸びたともされる。
長らく韓国市場を最有力なリテール取引ハブとして注視してきたコインベースにとって、地場パートナーシップ獲得は規制上の後ろ盾や既存インフラ確保につながる。しかしCoinoneの強硬な否定により、協業の実現性は依然不透明な状況だ。