暗号資産データ分析大手CoinGecko(コインゲッコー)のボビー・オン共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は15日、同社の中長期的な事業展望について声明を公表した。暗号資産市場を巡る環境変化が続くなか、事業基盤の強さや収益構造の健全性を強調し、透明性を重視した経営姿勢を維持する考えを示した。
声明は、同社が約500億円規模での売却を検討しているとの観測が一部で広がるなかで発表された。オン氏は短期的な取引や資本政策に焦点を当てるのではなく、暗号資産市場の成長と歩調を合わせた持続的な価値創出に注力する姿勢を鮮明にした。
Sponsoredコインゲッコー、売却報道の中で長期ビジョン強調
事情に詳しい関係者の話として、独立系暗号資産データアグリゲーターであるCoinGeckoが、およそ750億円での売却を検討しているとする最近の報道がある。
関係者によれば、同社はアドバイザーにモーリス・インベストメントバンクを指名したとのこと。ただし、現時点で最終的な評価額を決定するには時期尚早であり、売却プロセスは昨年末に始まったばかりであると述べている。
こうした報道を受け、オンCEOはLinkedIn上で改めてCoinGeckoの事業基盤の強さや経営理念を強調した。
「約12年間、CoinGeckoを自己資本で築いてきたが、将来どうなるのかとよく問われる。現時点でお伝えできるのは次の通りである。CoinGeckoは強固な経営基盤を維持している。持続的な成長と収益性を確保し、伝統的金融機関が暗号資産を導入する動きのなかで、機関投資家からの需要も拡大している」とオンCEOは述べた。
オンCEOは、同社が定期的に戦略的選択肢を検討していると説明し、そうした検討はあくまで持続的成長を支え、ユーザーや機関投資家向けのサービス向上を目的とするものだと強調した。
Sponsored「当社と同等規模の健全な企業であれば当然のこととして、成長を加速し、プラットフォームを利用する何百万人ものユーザーや拡大するエンタープライズ顧客基盤への価値提供を強化するため、定期的に戦略的な機会を評価している」とオンCEOは指摘した。
同氏は同社の「透明性へのこだわりや、中立的かつ高品質な暗号資産データの提供」に対する姿勢は変わらないと強調した。
さらに、オンCEOは暗号資産業界全体で進む動向にも言及した。より明確な規制枠組みや、機関投資家による関与の拡大を指摘しながらも、CoinGeckoとしてはあくまでユーザーと長期的成長に傾注すると述べた。
「これからの可能性に期待しつつ、引き続きユーザーへのサービス提供とCoinGeckoの長期的な発展に注力していく」と同氏は述べた。
このように、創業者の声明はCoinGecko売却の有無について言及していない。資金面の強さや成長性、戦略的な機会への柔軟な姿勢を示しつつも、具体的な取引の計画や差し迫った売却を示唆していない。
一方、暗号資産業界全体ではM&A(合併・買収)が顕著に増加している。アーキテクト・パートナーズの最近のレポートによれば、2025年の暗号資産M&Aは過去最高を記録しており、投資関連案件が全体の27.8%を占めている。
主な案件として、コインベースによるDeribitの約4200億円買収、クラーケンによるNinjaTraderの約2100億円買収、リップルのHidden Roadへの約1800億円買収などが挙げられる。
こうした傾向は2026年にも続いている。今週はStriveがSemler Scientificの買収承認を株主から得たことが話題となった。