2025年、暗号資産への投資行動は、宗教的信念に似た信念体系へのシフトを一段と映し出している。ファンダメンタルズやリスク評価に依拠するのではなく、一部の投資家は信仰、イデオロギー、あるいは変革的な未来像に根差した理想に導かれている。
この動きは、ビットコイン（BTC）最大主義から、6桁の評価額を信じるパイネットワーク（PI）のGCV信奉者に至るまで、金融判断が集団的な物語や象徴性によって形作られていることを示している。
Sponsored2025年の暗号資産サイクルを牽引するカルト的信念体系
シリングは常に暗号資産文化の一部であり、インフルエンサーやトレーダー、キーオピニオンリーダー（KOL）がSNS投稿を通じてコインを推進してきた。しかし、2025年に見られる現象は一歩先へ進んでいる。
もはや短期的な利ざやを狙ってトークンを煽る段階ではなく、宗教的信念に近い様相へと変質しつつある。
1. キム・ヨンフンのケース
注目されるのは、世界記録のIQ276を有するとされる韓国の起業家、キム・ヨンフン氏である。同記録は、オフィシャル・ワールド・レコードやワールド・メモリー・チャンピオンシップスなどの組織により検証されている。
キム氏はユナイテッド・シグマ・インテリジェンス・アソシエーションの創設者であり、自身の全資産をビットコインに転換し、それを「未来経済の究極の希望」と位置づける。
Sponsored Sponsored—— キム・ヨンフン
キム氏のレトリックは、暗号資産を神聖な目的と結び付ける。同氏は自らを「第二のサトシ・ナカモト」と宣言し、「アメリカを再び偉大にする」アジェンダを支持しつつ、イエス・キリストの名の下で世界的な教会を設立することを誓っている。
—— キム・ヨンフン
批評家や懐疑派は、彼のIQ主張や動機を疑問視するが、キム氏の影響力は、彼のメシア的な物語に引き寄せられるフォロワーの間でなお継続している。
Sponsored Sponsored2. ムラド・マフムドフとSPX
同様に、暗号資産トレーダーのムラド・マフムドフも、この信仰に基づく粘り強さを体現する。2025年初頭にポートフォリオが82%下落したにもかかわらず、マフムドフはミームコインのSPX6900（SPX）に資産の95%以上を配分し続けている。
彼はSPXが1000ドルに到達し得ると予測する。実現すれば、彼は世界の富豪上位100人に入り、保有する約3000万トークンの評価額は300億ドルに達する計算だ。マフムドフは、SPXをビットコインのHODL精神とXRPの反文化的要素を融合させた存在として位置付ける。
彼の継続的なプロモーションは、SPXにも大きな追い風をもたらしているが、批判者は持続不能なブームを警鐘する。
Sponsored3. パイネットワークのGCV動向
パイネットワークのパイオニアたちが掲げるグローバル・コンセンサス・バリュー（GCV）の運動も、この潮流を象徴する。パイの価格が伸び悩むなかでも、支持者は1コイン当たり31万4159ドルという評価を主張する。数学定数πへの象徴的な結び付けであり、世界のGDPを桁違いに上回る時価総額を含意する。
—— GCV開発者
ドリス・インらが率いるこの運動は、パイを金融的エンパワーメントのための生涯使命と捉え、会議を開き、この価格での現実世界の取引を促進している。
しかし、多くの向きは、こうした非現実的な信念がPIの実体経済の支えをむしろ損ない、価格下落が続くなかでプロジェクトの弱体化を招いていると指摘する。
