政府は10日の閣議で、暗号資産(仮想通貨)を金融商品として位置付ける金融商品取引法(金商法)の改正案を閣議決定した。これまで資金決済法のもとで「支払い手段」として規制されてきた暗号資産を、投資目的での利用拡大を踏まえて金商法の枠組みに移行させる。今国会で成立すれば、2027年度にも施行される見通しだ。片山さつき金融相は閣議後の記者会見で「市場の公正性・透明性と投資者保護を確保する」と述べた。
インサイダー取引を禁止、発行体への情報開示義務も新設
改正案の核心は、暗号資産を正式に金融商品と定義することで、株式や債券と同様の規制体系を適用する点にある。未公開情報に基づくインサイダー取引の禁止が明文化されるほか、暗号資産の発行体には年1回の情報開示が義務付けられる。市場参加者に対して透明性の高い情報環境を提供し、公正な価格形成を促すことが狙いだ。
また、関連事業者の名称は「暗号資産交換業者」から「暗号資産取引業者」へと改められる。金融庁は規制の枠組みを整えることで、機関投資家を含む幅広い参加者が安心して取引できる市場環境の構築を目指す。
無登録販売への罰則を大幅強化、拘禁刑の上限は3年から10年に
投資家保護の観点から、罰則規定も抜本的に見直される。登録を受けずに暗号資産を販売した業者への拘禁刑の上限は現行の3年以下から10年以下へ、罰金の上限は300万円以下から1000万円以下へとそれぞれ引き上げられる。不正業者に対する抑止力を高めることで、投資家被害の未然防止を図る。
なお、金商法上の金融商品に分類されることは、長年議論されてきた暗号資産取引益に対する分離課税(税率一律20%)導入の前提条件でもあり、今回の閣議決定はその実現に向けた重要な一歩となる。