暗号資産市場への流入額は先週20億ドル近くに達し、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ決定を受けて投資家心理はポジティブに傾いた。
力強い資金流入により、暗号資産の総運用資産(AuM)は年初来最高の404億ドルに達した。市場関係者の間では、昨年の486億ドルという年間のポジティブフローに肩を並べるか、わずかに上回る可能性が意識されている。
SponsoredFRB利下げで先週の暗号資産流入額が19億ドル超に
BeInCryptoは、FRBが先週利下げを実施したと報じ、ジェローム・パウエル議長がリスク管理の一環として利下げを位置づけたと伝えた。
その結果、ドルは下落し、株式とビットコインは流動性を背景とした楽観論で上昇。暗号資産への資金流入は先週だけで19億1,300万ドルに達した。
デジタル資産投資商品は先週19億ドルの流入を記録し、FRBによる「タカ派的利下げ」に対するポジティブな反応を示した —— ジェームズ・バターフィル(CoinSharesレポート、出典)
データによると、ビットコインとイーサリアムがそれぞれ9億7,700万ドルと7億7,200万ドルの流入を牽引した。ソラナ(1億2,730万ドル)とXRP(6,940万ドル)も追随し、堅調な資金流入を確保している。
なお、今回の資金流入は9月13日終了週に記録された33億ドルに続く2週連続のポジティブフローとなった。
Sponsoredただし比較すると、ビットコイン関連商品は24億ドルから9億7,700万ドルへと流入が減少した一方、イーサリアムは6億4,500万ドルから7億7,200万ドルへと大幅に増加した。
FRBの利下げを受けた暗号資産への資金流入急増について、バターフィルは投資家が当初は慎重に構えていたと分析している。
投資家は当初「タカ派的利下げ」に慎重姿勢を見せたが、週後半にかけて流入が再開。木曜と金曜だけで7億4,600万ドルが流入し、市場はデジタル資産への影響を織り込み始めた —— ジェームズ・バターフィル
地域別では、香港を除いておおむねポジティブ。香港は小幅な流出を示したが、米国、スイス、ブラジルは目立つ資金流入を記録した。
先週のフローは、米国の経済指標が依然としてビットコインや暗号資産を代替資産クラスとして押し上げていることを浮き彫りにしている。
これらのデータは、暗号資産がポートフォリオ多様化や経済不確実性へのヘッジとしての役割を強めていることを示している。
今週はパウエル議長やスティーブン・ミラン理事を含むFRB高官が発言予定であり、伝統的金融(TradFi)市場の不透明感が強まれば、暗号資産への資金流入にさらなる追い風となる可能性がある。