会計大手デロイトは4日、分散型IDプロトコル「KILT」と業務提携を結んだ。デロイトはKILTの提供する分散型IDやクレデンシャル(ユーザー名、暗証番号、パスワード、生体パターンなど認証データ情報)を活用し、企業・個人のKYC(本人確認)プロセスをサポートしていく予定だ。
デロイトは、ロンドンに本社を置くグローバル会計コンサルファーム大手。監査、コンサルティング、税務、企業アドバイザリーなど多様なサービスを提供している。
一方でKILTは、個人・企業の個人データを、高い検証技術や信頼性、匿名性などを有したまま、分散型IDやクレデンシャルとして発行するブロックチェーン。異なるブロックチェーンの相互運用を目指すポルカドット(Polkadot)のパラチェーンでもある。
パラチェーンとは:
ポルカドットに接続する、独立した個々のブロックチェーン。その一方で個別のパラチェーンが接続されるネットワークの中核部分は「リレーチェーン」と呼ばれる。
ポルカドット・パラチェーンKILTとデジタルID
ポルカドット上でパラチェーンとして動作するKILTは、ユーザーの個人データを危険にさらす可能性のある、現在の非効率かつセキュリティに問題のあるKYC(本人確認)プロセスを改善する。KILTでは再利用可能な認証情報を提供し、ユーザーはこれを保存・管理することが可能。また個人情報の共有先となるサードパーティを、自身で選択することもできる。
デロイトは、ユーザーが自身のクレデンシャルを安全かつ快適に再利用・管理できるようにするため、独自のブラウザ拡張機能をリリースしていく方針だ。デロイトのミカ・ビターリ氏はKILTプロトコルとの業務提携について、以下のように語った。
KILTブロックチェーンに紐付けられた、再利用可能な分散型IDやクレデンシャルを提供することで、デロイトは個人・企業のKYCプロセスに変革を起こせる
Deloitte Accounting Giant Joins Polkadot Ecosystem
またKILTプロトコルの創設者であるインゴ・リューベ氏はプレスリリースで「ポルカドットのパラチェーンとして、KILTは企業パートナーが必要とするスケールとセキュリティを提供する」と強調している。分散型IDは、DeFi、eコマース、ゲームといった新しいデジタル市場での活用が期待される。
KILTトークンとDOTトークンの分析
KILTトークンは、デロイトのニュースを受けて41%急騰した。本稿執筆時点で、2月下旬以来の最高値である0.489ドルで取引されている。しかしKILTトークンは21年12月に過去最高値(ATH)の9.80ドルを記録しており、価格は現在、ATH比95%減となる。
一方で、ポルカドットのDOTトークンはKILTトークンのような勢いはなく、大きな値動きはみられなかった。DOTトークンは本稿執筆時点、5.75ドルで取引されている。エコシステムの成長にもかかわらず、DOTトークンの価格は上昇していない。21年11月に過去最高値(ATH)となる55ドルに達した後続落し、価格は現在、ATH比89%減となっている。

翻訳:BeInCrypto Japan
原文:Deloitte Accounting Giant Joins Polkadot Ecosystem
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