ヨーロッパの暗号通貨税計算サービスを提供するDivlyが5日、「グローバル暗号通貨課税レポート2022」を公表した。調査によると、22年に暗号通貨投資家のわずか0.53%が暗号通貨に関する税務申告を地元の税務当局に行なったという。
同調査では、世界の暗号通貨課税のトレンド、そして22年の世界24ヶ国の暗号通貨の課税支払率を推定。各国の暗号通貨の課税支払率を推定するために、政府の公式統計、検索ボリュームデータ、利用可能な暗号通貨所有データなどを使用する複数のアプローチが採用。前提として暗号通貨に投資したすべての人が税金を支払う必要があったわけではないと主張した。
調査結果では、最低率のフィリピンで0.03%から最高率のフィンランド、4.09%の範囲内となり、世界の税金支払い率は0.53%を記録。日本はアジアで最も高い課税支払率の2.18%を記録した。日本政府と日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)が暗号通貨に納税に関する規制を促進していることを背景に、他のアジア諸国に比べ高水準となった。米国は1.62%を記録。分析対象24カ国のうち10位となった。この他にも税金支払い率が比較的高い国として、オーストラリア(3.65%)、オーストリア(2.75%)、ドイツ(2.63%)、およびイギリス(2.61%)が挙がった。
一方でアジアおよび、対象24ヶ国中最低率を記録したのはフィリピン。ヨーロッパにおいてはイタリアが最低率を記録した。フィリピンでは、暗号通貨に対する課税が義務付けられているが、規制の定義が不十分とされている。これらを理由に分析対象国の中で最下位に記録した。イタリアの支払い率が低い理由の1つは、2022年にイタリア人は個人が51645ユーロ以上の暗号通貨を保有している場合にのみ申告する必要があるためだ。今後イタリアは多くの制度変更が実施されるため、将来的には税金支払い率が上昇する見込み。
納税率の違いを生む起因、そして今後の見通しとは
同社は国ごとの暗号通貨税金支払い率の違いが生まれている背景にはいくつかの要因が影響していると主張。それらの要因として、一般の認識、暗号通貨以外の税金支払い率、政府の方針、暗号通貨保有だけでは課税されないこと。さらに、暗号通貨税金計算の難しさ、そして政府の取り締まりなどを挙げた。
業界全体の歴史的傾向としては、暗号通貨税の申告が着実に増加していると主張。さらに同社は今後の世界的な税務申告率に関し、「新しい規制が導入され、強化が求められるにつれて、これらの数字は改善されるだろう。多くのトレーダーが最終的に税金を申告し、以前の申告漏れに対して罰金を科されることになると予想される」との見解を示した。
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