ドージコイン財団の企業活動部門であるHouse of Doge、ReYuu Japan、abcの3社は1日、ドージコイン(DOGE)を投資対象とする上場投資信託(ETF)の組成を見据えたファンドの設計・組成に関して最終合意に達したと発表した。3社は同年1月8日にパートナーシップ締結を公表しており、その後の協議を経て実行フェーズへ移行した。
ドージコインETFを見据えた私募ファンドの組成
本合意に基づき、3社はドージコインを主要投資対象とする私募ファンドの組成を起点として、将来的なドージコインETF(上場投資信託)の商品ストラクチャー構築を共同で推進する。国内外の規制動向を踏まえた法令対応体制の整備も並行して進め、機関投資家および適格投資家向け商品の開発を目指す。
同ファンドの組成・運営主体はabcの子会社であるabc証券株式会社が担う予定であり、同グループにおける金融商品組成機能の強化を図る取り組みと位置付けられている。
ドージコインは世界的に高い時価総額と流動性を持つ主要暗号資産の1つ。本稿執筆時点でのDOGE価格は約0.092ドルで推移しており、時価総額は約140億ドルと暗号資産全体で第9位〜10位圏内に位置する。
3社の役割分担と体制
3社はそれぞれ異なる強みを持ち寄る形で役割を分担する。abcおよびabc証券はファンドの組成・運営主体として金融商品設計と証券機能を担う。House of Dogeはドージコインエコシステムとの連携およびグローバルネットワークを活用した支援を行う。ReYuu Japanはドージコインの市場買付などを含むトレジャリー戦略の推進と、Web3事業における実証連携を受け持つ。
abcは東証スタンダード市場に上場する投資会社(証券コード:8783)で、Web3技術を核とした事業を展開する。ReYuu Japan(証券コード:9425)はリユースモバイル事業を基盤としつつ、ブロックチェーン関連領域への展開を進めている。
国内初のドージコインETF組成者となるか
同ファンドはドージコインETF組成に向けた準備段階として位置付けられているが、現時点ではファンドの正式組成・募集開始は決定していないとされており、具体的なスケジュールや条件については今後の協議に委ねられている。各社の役割についても、協業の進行ステージに合わせて随時見直される予定だ。
国内における暗号資産ETFをめぐる制度整備は本格化しつつある。政府・与党は2025年12月に2026年度税制改正大綱を発表し、一定の暗号資産をETFの投資対象として認める方針を明記した。金融商品取引法の改正を前提に、暗号資産ETFへの申告分離課税(税率20%)適用が実現すれば、個人・機関投資家双方にとっての投資環境が大きく改善する。
野村ホールディングスやSBIホールディングスの運用会社が商品開発を進めており、国内での解禁は早ければ2028年になるとの見方が出ている。ただし、2026年4月時点で国内の証券会社を通じた暗号資産ETFの取り扱いはまだ実現しておらず、米国での現物ビットコインETF承認(2024年1月)から4年以上の遅れをとる形となる。こうした制度整備の流れの中で、今回のドージコインを対象とした3社合意は、ビットコインに次ぐ暗号資産の国内金融商品化に向けた先行的な取り組みとして位置付けられる。