イーサリアム共同創設者ジェフリー・ウィルケ氏は、3月7日に7万9258ETH(約1億5700万ドル相当)を暗号資産取引所クラーケンへ送金した。
通常、これほどの大規模な資産移動が取引所宛に行われる場合、市場は明確な売却シグナルと解釈する。
ETHが2000ドル下支えを巡り、内部者売却が重荷
興味深いことに、ブロックチェーン分析企業SpotOnChainのアナリストによれば、今回の取引には明確な「往復」パターンが見られるという。
同氏らによると、これらのウォレットは約10か月前にも全く同じ量のETHをクラーケンから出金しており、ウィルケ氏の主要ウォレットのひとつによる活動と一致する動き。
当時、ETHの取引価格はおよそ2600ドルだった。
したがって、今回の動きは以前カストディ用に分散させていた資産を、売却のため再び取引所へ集約したものとみられる。このような売却が続く中でも、ウィルケ氏はオンチェーン上で依然として強力なポジションを維持している。現時点で2万7241ETH(約5356万ドル相当)を保有。
注目すべきは、ウィルケ氏がイーサリアムの開発現場をほぼ退き、現在はプライベートなゲーム事業に注力していることだ。
一方、ウィルケ氏の動向は、他のイーサリアム関係者による最近の売却と重なるものの、その背景動機は大きく異なる。
2月には、イーサリアムのリーダー、ヴィタリック・ブテリン氏が1万7196ETH(約3496万ドル相当)を売却。これは、エコシステム開発目的で1万6384ETHを売却するとの事前表明を上回る数字となった。
ブテリン氏は最近の売却益について、金融・ガバナンス・バイオテクノロジー分野のオープンソースソフトウェアおよびハードウェア開発に活用すると明言している。
動機にかかわらず、こうした著名インサイダーによる売却は、ETHが2000ドルという心理的なサポート水準の維持に苦しむ中で、さらなる下落圧力を強めている。
業界専門家は、暗号資産市場の停滞を続ける背景に、マクロ経済環境の変化があると指摘。BeInCryptoのデータでは、ETHは年初から34%下落し、本稿執筆時点で1944ドルで推移している。
その一方で、時価総額2位の暗号資産に対する短期的な見通しも依然厳しい。分散型予測市場Polymarketの投資家は、ETHが1800ドルまでさらに下落する確率を現時点で67%と見積もっている。