イーサリアム価格は過去24時間で6.7%上昇し、現在3,320ドル付近で取引されている。今回の動きは12月3日に確認されたブレイクアウト構造に続くものであり、依然として3,710ドルを示唆している。
ただし、現在は強弱入り混じるシグナルが見られ、上昇までに時間を要する可能性が高まっている。
Sponsoredイーサリアム価格は、11月下旬に形成された逆三尊型のブレイクアウトパターンの中で推移し続けている。12月3日以降も右肩のサポート(2,710ドル)が維持されたことで、この動きは有効となっていた。イーサリアムがこの水準を下回った場合のみ、パターンの有効性は弱まる。
現在の焦点は、20期間EMA(指数移動平均線)と50期間EMAによる強気クロスの形成にある。EMAは、直近のローソク足に重みを置いて価格推移を追う指標である。
強気クロスが発生すると、買い手の勢いが増しており、現在のトレンドが継続しやすくなるサインとされる。このシグナルが実現すれば、イーサリアム価格は3,710ドルまで上昇する可能性がある。
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ただし、このクロスオーバーが実現するのは、売り手が押し込まない場合に限られる。オンチェーン指標のひとつが警戒感の理由を示している。
イーサリアムのNet Unrealized Profit/Loss(NUPL)は、すべてのイーサリアムウォレットが保有している「含み益」を測る指標である。NUPLが上昇すると、多くの保有者がより多くの含み益を持つことになり、利益確定売りの動機が強くなる。
SponsoredイーサリアムのNUPLは現在0.296となり、オプティミズム−アンザイエティ(楽観−不安)ゾーンに入った。これは11月上旬以来の高い水準である。
NUPLが同水準に達した直近の事例は12月3日であり、この時イーサリアムは2日間で約5.2%下落した(利益確定売りによる)。
現在も同様の構図となっている。利益率が再び高まる一方で、イーサリアムは抵抗線付近に位置している。このため、一部の保有者が強気クロス成立前に売却に動く可能性が高まる。売りが先行すればクロスは成立せず、一時的な勢いの停止も考えられる。これが上昇までの待ち時間が長くなる要因だ。
もし強気クロスが成立し、NUPLによる売り圧力が限定的であれば、イーサリアム価格は上値の見通しが開ける:
- 3,390ドルを12時間以上維持することが第一のシグナル
- 次の抵抗線は3,570ドル
- 3,570ドルを突破すれば、ブレイクアウトの起点から見た20%の上昇幅である3,710ドルまでの伸びが狙える
一方、売りが強まれば構造は弱まる。イーサリアムは2,710ドルを上回る限り有効性を保つが、2,610ドルを下回る動きとなれば、パターンの成立は否定され、一段の調整局面が見込まれる。
現時点でイーサリアムは、3,710ドルを試す強気クロスの動きと、利益確定売りを誘発する含み益上昇との間で拮抗している。数セッション内の推移が、どちらの力が優勢となるかを決定する。