イーサリアム(ETH)の価格は4月1日に2100ドルを上回ったが、12時間足チャートでヘッドアンドショルダーズパターンが現れており、1570ドルまで約20%下落するリスクがある。こうした構造的リスクが、機関投資家がビットコインをイーサリアムより優先している理由と考えられる。
ビットコイン現物ETFには3月に13億2000万ドルの流入があった。一方、イーサリアムETF商品は流出が5か月連続となった。イーサリアム価格は過去30日間で7%上昇したが、ビットコインは2.7%の上昇にとどまった。それでも、規制下の資金は正反対の動きを見せた。テクニカル構造とオンチェーンでの需要減退は、機関投資家が短期的な上昇局面では見落とされがちなリスクを見ていることを示す。
機関投資家、イーサリアムよりビットコイン選好
SoSoValueによると、イーサリアムETF商品は3月に4601万ドルの純流出を記録した。この数値は2月のマイナス3億6987万ドル、1月のマイナス3億5320万ドルから大幅に改善しているものの、2025年11月以降5か月連続でETH関連商品から機関投資家資金が流出している状況に変わりはない。
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ビットコインとの対照は際立つ。BTC現物ETFは同じ3月に13億2000万ドルの流入があり、4か月連続だった流出期間を打ち破った。マクロ環境も地政学リスクも四半期末のリバランス期間も同じであったが、機関投資家はビットコインを買い、イーサリアムを売る道を選んだ。
イーサリアムETFが、ETH価格が7%上昇した月でさえプラスに転じることができない点は、反発が規制資金を納得させていないことを示唆する。機関投資家は、短期的な値動きだけでは見えない構造的リスクを織り込んでいるとみられる。
この懐疑的な見方は、オンチェーンでの保有者行動も同じ方向を示すことで、より明確になる。
需要が10日で80%減少
ホドラー純ポジション変動は、155日以上ETHを保有するアドレスが保有するETHの30日間変動を追跡するGlassnodeの指標である。3月21日に54万3169ETHでピークに達した。しかし3月31日には10万9678ETHまで落ち込み、およそ80%の減少となった。
この推移は、3月中旬まで着実に積み増していた中長期保有者が、月末10日間で購入ペースを大きく減速したことを意味する。時期としては、イーサリアムETFからの流出が加速し、暗号資産市場全体がホルムズ海峡危機による地政学的売り圧力を受け始めたタイミングと一致する。
ETFの資金フローとオンチェーンの保有者行動が同時に弱まると、需要基盤は2方向から縮小する。規制商品を通じて機関投資家資金が流出し、長期現物保有者も積み増しを減らす。イーサリアム価格の下支えは徐々に薄くなる。この局面で、テクニカル構造上も大幅な下落リスクが存在する。
そのリスクは12時間足チャートにも現れている。
イーサリアムに20%下落リスク警戒感
12時間足のイーサリアム価格チャートでは、2月下旬からヘッドアンドショルダーズパターンが形成されつつある。ヘッドの天井は2380ドルに達した。右肩は現在進行中で、現在の価格は2100ドル周辺で推移する。
このパターンからは、ネックラインから約19.32%(ほぼ20%)の下落が想定され、下落ターゲットは1570ドル付近となる。ただし、まだネックラインの明確な下抜けは発生していない。右肩はイーサリアム価格が2384ドルを下回る限り形成が続く。価格が2200ドルを超えれば左肩の対称性は崩れるが、完全にパターンが否定されるには2380ドル超での高止まりが必要である。
12時間足の20期間移動平均線(EMA)と50期間EMAは、それぞれ2070ドル、2080ドルで推移する。これら2つの水準が目先の下値支持となる。直近では3月26日から両EMAを同時に割り込んだ結果、イーサリアム価格は8.44%下落した。再び2070ドルを割り込めば、右肩の下落トレンドが加速し、2010ドル、さらに1950ドルと、ネックライン域に下値目標が定まる。
1,950ドルを割り込むと、0.618の水準である1,840ドルが中間サポートとなる。計測による目標値は1,570ドルで、売りの勢いが強まれば1,400ドルまで拡大する可能性。
2,120ドルで12時間の終値となれば下落は一時的に遅れる。ただし、イーサリアムETFの資金流入とホドラーによる蓄積の回復がなければ、2,380ドルを上抜きパターンを否定するだけの需要は生まれない。