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Prysm不具合でFusaka後のイーサリアム検証者に100万ドル超損失

14日 12月 2025年 22:00 JST
Trusted-確かな情報源
  • Prysmコンセンサスクライアントを使用するイーサリアムのバリデータは、ソフトウェアの不具合により382イーサ、1,000万ドル超を受け取れなかった。
  • この事象によりブロックの欠損が発生し、ネットワーク参加率は一時75%程度に低下したが、その後恒久的な修正が導入された。
  • この障害により、コンセンサスクライアントの集中への懸念が再燃し、バリデータに代替手段の採用を求める声があがった。
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イーサリアムのコンセンサスクライアントであるPrysmは、Fusakaアップグレード直後に発生したソフトウェアバグによるネットワーク障害で、バリデータが382ETH(100万ドル超相当)を逃したと発表した。

この事象は「Fusaka Mainnet Prysm incident」と題した事後報告で詳細が明らかにされた。リソースが枯渇する事態がほぼ全てのPrysmノードで発生し、その結果、多数のブロックおよびアテステーションが欠落した。

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Prysm停止の原因は何か

Prysmを開発したOffchain Labsによれば、12月4日に以前から存在していたバグが原因でバリデータのリクエストが遅延し、問題が表面化した。

この遅延により、ネットワーク全体で多くのブロックとアテステーションが失われた。

「Prysmビーコンノードは、ネットワークと同期していない可能性のあるノードからアテステーションを受信した。これらのアテステーションは前のエポックのブロックルートを参照していた」とプロジェクトは説明した。

この障害により41エポックが失われ、1344枠中248ブロックが欠落した。これは18.5%のスロット欠損率を示し、障害発生時にはネットワーク全体の参加率が75%に低下した。

Offchain Labsによると、今回の動作を引き起こしたバグは約1か月前にテストネットに導入されており、Fusakaアップグレード後にメインネットで発生した。

一時的な緩和策により直ちに大きな影響は抑えられたが、Prysmは今回を受けてアテステーション検証ロジックに恒久的な変更を実施し、再発防止を図った。

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イーサリアムのクライアント分散状況

一方で今回の障害はイーサリアムのクライアント集中やソフトウェア単一文化がもたらすリスクを改めて浮き彫りにした。

Offchain Labsは、Prysmのシェアがイーサリアムのバリデータ基盤においてより高ければ、より深刻な影響となった可能性があると指摘した。同社はイーサリアムのクライアント多様性が、ネットワーク全体の障害拡大防止に重要だったとした。

「ネットワークの3分の1超を占めるクライアントであれば、一時的なファイナリティ喪失やさらに多くのブロック欠損が発生した可能性がある。もしバグのあるクライアントが3分の2超を占めた場合、不正なチェーンがファイナライズされるおそれもある」と指摘した。

とはいえ、今回の事例を受けクライアント多様化の必要性がさらに高まる結果となった。

Miga Labsのデータによれば、Lighthouseが依然として主要なイーサリアムコンセンサスクライアントとなっており、バリデータの51.39%を占める。Prysmは19.06%、Tekuが13.71%、Nimbusが9.25%となっている。

Ethereum's Consensus Clients.
イーサリアムのコンセンサスクライアント 出典: Clientdiversity

Lighthouseのシェアは、研究者がシステミックリスクと見なす閾値まで約15ポイントの差となっている。

このため、開発者やエコシステム関係者からはバリデータに対し、単一のソフトウェア欠陥によるブロックチェーン基幹機能の障害リスク軽減のため、他のクライアントへの移行を再度促す声が上がっている。

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