年末を迎え、イーサリアム市場の調整局面が鮮明になっている。オンチェーンデータによると、流通するイーサリアムの約4割が取得価格を下回る水準で保有されており、価格下落の影響が投資家層全体に及んでいる。特に市場を左右する大口保有者の動きにはばらつきがみられ、損失確定を急ぐ売却と、下落局面を好機と捉えた買い増しが交錯する。
暗号資産市場では、需給と投資家心理の分断が次の値動きを左右する局面に入った。
Sponsoredイーサリアム保有者の含み損拡大 ETH下落で
イーサリアムは直近3カ月連続で月足が赤字となり、11月だけで22.2%の大幅下落となった。12月に入っても依然としてボラティリティの高い相場が続いている。
一時は3,000ドル台を回復する場面もあったが、維持できず現在はこの重要なラインを下回っている。
本稿執筆時点でイーサリアムは2,973.78ドルで推移しており、過去24時間で1.10%上昇している。これは暗号資産市場全体と同様の動きである。
しかし、最近の弱含みな価格推移は保有者の収益性に大きな打撃を与えている。Glassnodeのデータによれば、今月初めにはイーサリアム流通供給量の75%以上が含み益の状態だったが、現在その比率は59%まで低下した。含み損ポジションが増加していることを示している。
イーサリアム大型保有者、損失拡大で異なる動き
こうした環境下で、著名な保有者らはポートフォリオの再構築を進め始めている。Lookonchainは報告で、Venice AI創業者のエリック・ヴォーヒーズ氏が1,635ETH(約481万ドル相当)をTHORChainに入金し、ビットコインキャッシュ(BCH)へスワップしたと伝えている。
この動きに先立ち、今月初めにもヴォーヒーズ氏は、約9年ぶりに動いたウォレットからETHをBCHに交換しており、明確なポートフォリオシフトを示唆する内容となっている。
一方、アーサー・ヘイズ氏も取引所へETHを送金している。同氏は戦略について「ETHから高品質のDeFi銘柄へローテーションしている」、一部トークンが今後、法定通貨の流動性改善を背景にイーサリアムを上回るパフォーマンスを見せる可能性に言及している。
さらにオンチェーン上では、Cluster Capitalのパートナーであるウィンスロー・ストロング氏が1,900ETHと307cbBTCをコインベースへ送金している。総額は約3,262万ドルに上る。この種の送金が即時売却を示すものとは限らない。
しかし、中央集権型取引所への送金は、特に市場不透明感が高まる局面では売却圧力のシグナルと受け止められることが多い。
Sponsored「このETHは1カ月前、平均3,402.25ドルで出金され、cbBTCは2025年8月から同年12月にかけて、平均97,936.68ドルで取得された。もし売却されれば、合計約390万7,000ドルの損失となる」とオンチェーンアナリストは述べている。
大口保有者による継続的な買い
全てのクジラが市場から撤退しているわけではない。アドレス「0x46DB」は12月を通して積極的な買いを継続している。12月3日以降、同投資家は4万1,767ETHを平均3,130ドルで買い増している。
このポジションは現状で830万ドル超の含み損となっている。BitMineも、およそ35億ドルの含み損を抱えたまま、今週大口の買い増しを進めている。
こうした動向は、市場見通しに明確な分断が生じていることを示している。BitMineは今後数カ月でETHの上昇を見込む一方で、売りが止まない現状は他の大口投資家が強気になりきれない姿勢を反映している。
BeInCryptoの分析によれば、イーサリアムにはさらなる下落を示唆する4つの主要な警告サインが挙げられる。それは取引所準備高の増加、推定レバレッジ比率の上昇、ETFからの継続的な流出などだ。同時にコインベース・プレミアム・インデックスも、ここ1カ月で最低となる-0.08まで低下している。
Sponsored Sponsored含み損拡大、高いレバレッジ、資金流出という状況は、2025年終盤のイーサリアムに厳しい見通しを突き付けている。大口保有者による逆張り買いで上昇傾向も一部確認されるが、売り圧力がこうした動きを上回っているのが実情である。このセンチメントが2026年に転換するかどうかは、今後の動向を見守る必要がある。