イーサリアム(ETH)の価格が、約7カ月ぶりに4000ドル台の回復を視野に入れている。背景には、機関投資家やいわゆる“クジラ”と呼ばれる大口投資家による大量購入の動きがある。
ブロックチェーン分析を手がけるLookonchainによると、7月20日、58,268ETH(約212億円相当)が新たに作成された2つのウォレットに移されていたことが確認された。これらのウォレットは、Galaxy DigitalおよびFalconXといった暗号資産関連の金融企業から資産を取得しており、機関投資家またはクジラによる買いとみられる。
Sponsoredイーサリアム、機関投資の強化で4500億ドルの時価総額を達成
オンチェーンアナリストのEmberCNは、別のクジラによる重要なイーサリアム購入を強調し、物語に加わった。この取引では、13,462ETH、約50億円相当がバイナンスから平均価格3,714ドルで取得された。

一方、買い圧力は匿名のクジラだけから来ているわけではない。企業セクターも市場での影響力を発揮し、この蓄積トレンドに貢献している。
現在イーサリアムの最大の企業保有者であるSharpLinkは、今月も積極的なETHの蓄積を続けている。
過去1日で、同社は4,904ETH、約17.45億円相当を追加した。これにより、月間合計は157,140ETH、約493億円相当となり、平均取得価格は3,136ドルである。
直接購入以外にも、イーサリアムは現物取引所上場投資信託(ETF)への記録的な流入を見せている。
過去5取引日で、ETH現物ETFは22億ドルを集め、前週の10億ドルを大きく上回った。

“連続した記録的な週。過去2週間でトップ5の流入日が4日間あった”とETF専門家のネイト・ジェラシ氏が指摘した。
この勢いは、イーサリアムが将来の成長に向けて良好な位置にあるという投資家の確信を示唆している。
特に、ネットワークがステーブルコイン、分散型金融(DeFi)、トークン化資産を支える役割は、ブラックロックを含む伝統的な金融機関からの注目を集め続けている。
この上昇傾向を考慮し、MaelstromのCIOであるアーサー・ヘイズ氏は、イーサリアムが間もなく4000ドルの壁を突破する可能性があると示唆した。同氏の見通しは、年末までに1万ドルに向かう可能性があるという市場の広範な予測を支持している。
本稿執筆時点で、デジタル資産は3710ドルの6か月ぶりの高値で取引されており、2024年12月以来の最高水準である。一方、価格の上昇によりETHの時価総額は4500億ドルを超え、世界で25番目に価値のある資産となっている。