イーサリアムは、時価総額で第2位の暗号資産として、直近7週間ぶりの安値から反発した。現在は重要な水準付近で推移しているものの、市場シグナルが交錯しており、投資家は慎重な姿勢を崩していない。
短期的な安心感はあるが、今後のイーサリアムの方向性には依然として不確実性が残る。
イーサリアムにはより強力なサポートが必要
オンチェーンデータでは、新規イーサリアムアドレス数が2か月ぶりの低水準となり、ネットワーク成長の鈍化が明らかになっている。新規アドレス数は市場参加の勢いを示す重要な指標であり、この減少は投資家の慎重姿勢を反映している。多くの投資家は、ETHの確かな回復シグナルが確認されるまで新規資金投入を控えている状況だ。
Sponsoredこの新規アドレス数の低下は価格下落とも一致しており、潜在的投資家の確信不足を裏付ける。新規参入の継続的な流入がなければ、ETHは持続的な上昇基盤を築くのに苦労するだろう。
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一方で、HODLウェーブのデータでは投資家の信頼感も読み取れる。1〜3か月の保有者による供給割合は先月の8.7%から11.4%へと3ポイント増加した。これは短期保有者が売却に走るのではなく、ボラティリティを受け止めて保有を続けていることを示す。
こうした行動はETHの回復力を下支えする。短期保有者が成熟することで急激な売却が減少し、価格安定の助けとなる。ネットワーク参加が強まれば、ETHは弱気圧力に耐え、回復の基盤を固める可能性がある。
ETH価格、突破を待つ
ETHは4,187ドルで推移しており、3,872ドルから反発したのち、4,222ドルの抵抗水準直下に位置している。この反発はサポート付近での買い意欲を示すが、市場は依然慎重で、ETHが重要な水準を再び突破できるか注目されている。
4,222ドルを上抜ければ、この水準をサポートに転換し、さらに上値余地が広がる可能性がある。ただし、新規資金流入が乏しければ、4,500ドル超えは難しいだろう。投資家心理の慎重さと流動性の制約が、ETHをレンジに押し留め、強力な市場材料が出るまでは横ばい基調が続く可能性がある。
一方で、サポートを維持できなければ弱気センチメントが再燃し、売り圧力の強まりで4,074ドルを割り込み、再び3,872ドルを試す可能性がある。その場合、強気シナリオは打ち消されることになる。