ビットコインとイーサリアムのオプションで総額87億2000万ドル超が27日、満期を迎える。2月最大のデリバティブイベントに当たる。
満期到来により、暗号資産市場は重要な分岐点を迎えており、ボラティリティは高く、センチメントも脆弱な状況。
2月の87億ドル満期が分岐点 ビットコインとイーサリアムに逆風か
ビットコインが大部分を占める。11万4705件の契約で、名目総額は77億4000万ドルに達し、決済へ向かっている。
イーサリアムは47万8992件の契約で、およそ9億7500万ドル相当。両者の満期は、全オープンインタレストの約20%に相当し、市場への影響も大きい可能性。
現行価格では、両資産ともに「マックスペイン」水準、すなわち最も多くのオプションが無価値となる権利行使価格を大きく下回る。
ビットコインは6万8052ドルで取引されており、マックスペインは7万5000ドル。イーサリアムは2,035ドル付近で推移し、マックスペインの2,200ドルを下回っている。
コール建玉(OI)が両資産とも優勢。ビットコインはコールが6万6300件、プットが4万8405件で、プット・コール比率は0.73。イーサリアムはコールが26万8642件、プットが21万350件で、比率は0.78となる。
Deribitのアナリストによれば、両主要資産ともコール建玉が優勢だが、ビットコインの方が決済時の名目額が圧倒的に大きい。この要因により、ヘッジ取引が活発化すればスポット価格の感度が高まる可能性。
ボラティリティの乖離が不安感を示唆
一方、ボラティリティ指標には複雑な動きが見られる。Deribitによると、ビットコインのDVOL(ボラティリティ指数)は53、インプライドボラティリティ(IV)のパーセンタイルは87.7と、過去レンジと比べても高水準。
イーサリアムのDVOLは絶対値で70と高いが、IVパーセンタイルは55.7にとどまり、過去の水準と比べれば極端ではない。
とはいえ、イーサリアムのボラティリティはビットコインに比べて15~20ポイント高い状態を維持。トレーダーはETHの将来満期により大きな不確実性を織り込んでいる状況が示唆される。
満期前プレミアムが前面に集中し、両資産ともタームストラクチャー(期間構造)はコンタンゴ。
恐怖後退も確信は広がらず
今月初旬、ビットコインとイーサリアムの25デルタ・スキューは-30付近まで急低下。価格下落によるダウンサイドリスク回避需要が高まった形。
その後、スキューは-8から-9付近まで回復し、パニック的なヘッジの勢いは収束。一方で依然としてマイナス水準が続くため、市場は防御姿勢を完全には解消できていない。Greeks.liveのアナリストも、市場全体を「鈍い」と評している。
2月初頭、ビットコインは一時6万ドル台の心理的節目を試す場面があり、その後も上値の重い展開が続いている。
直近の2日間反発でIVが上昇(BTC主力満期で47%、ETHは65%)したが、市場の信認は依然として薄い。
「下落トレンドはいったん和らいだが、市場の自信は依然として不十分。特に中期・長期満期のラージブロックコールオプションが取引を主導している」とGreeks.liveは指摘。
スキュー指標の回復は「押し目買い」の兆しだが、Greeks.liveは依然として市場全体がベアトレンドの圏内にあると警告する。
重要なのは、暗号資産市場には新規資金流入や明確な材料が乏しい点。SNS上でも悲観的なストーリーが主流だ。極端な恐怖がやや後退している兆しはあるが、反発を牽引する確固たる信念はいまだ見受けられない。
ビットコインとイーサリアムの両方が最大ペイン水準を大きく下回って推移しているため、本日のオプション満期に向けて現物価格が上昇に向かう可能性がある。この展開により、「ペイントレード」が強まる可能性もある。
ただし、需要の低迷が続けば、満期後にボラティリティが縮小する可能性がある。デリバティブ市場はパニックがやや和らぐ価格形成となっているが、依然として市場の信頼回復とは言えない状況。