アジア太平洋モーニングブリーフへようこそ。アジア太平洋地域の市場と世界のセンチメントを左右する、昨晩の暗号資産動向をまとめた要約版です。月曜日版は先週のまとめと今週の予測をポール・キムが提供します。緑茶を片手にぜひ、1日の始まりにご一読ください。
米国の雇用報告が弱含んだことを受け、今年3回の利下げ期待が市場に戻ってきた。主要な米国株指数は上昇したが、ビットコインの価格は比較的静かな反応にとどまった。
雇用統計悪化、利下げ期待高まる
Sponsored先週、ビットコイン（BTC）は2.72%上昇し、ソラナ（SOL）は2.64%上昇した。しかし、イーサリアム（ETH）は同期間に2.07%下落し、パフォーマンスが振るわなかった。
先週、リスク資産市場で最も注目されたイベントは、金曜日に発表された米国8月の非農業部門雇用者数（NFP）報告だった。この重要な指標は、米国の金利や市場全体の流動性に大きな影響を与える可能性がある。
以前、7月のNFPがわずか7万3000件の新規雇用にとどまったことが経済危機への懸念を引き起こした。これを受けて、米国財務長官のスコット・ベッセント氏は今年100ベーシスポイントの利下げを提案し、ビットコインを過去最高値の12万3000ドルに押し上げた。
8月のデータは7月よりも弱く、非農業部門の雇用はわずか2万2000件増加した。また、6月のデータの修正により1万3000件の雇用減少が明らかになり、2021年以来最悪のパフォーマンスとなった。
失業率も前月から0.1%上昇し4.3%となった。4.3%は歴史的には危機的水準ではないが、雇用成長の急激な鈍化は懸念材料である。これは労働市場が転換点にあり、急速に悪化する可能性を示唆している。
Sponsored SponsoredFedWatchツールによれば、今年3回の利下げの可能性が再び高まった。ビットコインの価格はすぐに11万3000ドルの水準に戻った。
しかし、ビットコインはその上昇を維持できなかった。AI関連株の下落がナスダックを引き下げ、ビットコインの価格も11万ドル台前半に戻った。また、マイクロストラテジー（MSTR）がS&P 500指数に含まれなかったことに失望の声が上がった。
不確実な時期にビットコインの価格を支えてきた米国のスポットETF市場も弱い反応を示した。金曜日には約1億6010万ドルがBTCスポットETF市場から流出し、ブラックロックのIBITは10日ぶりに6320万ドルの流出を記録した。
イーサリアムの苦戦、市場の弱さを浮き彫りに
イーサリアムの状況はさらに悪化している。週間の価格動向は下方圧力が増していることを示している。最大の成長エンジンであるスポットETF市場は、先週だけで7億8000万ドル以上の純流出を記録し、金曜日には米国の雇用報告が発表された際に4億4671万ドルの大規模な流出があった。
イーサリアムの価格はある程度耐えているが、これはデジタルアセット財務（DAT）企業による継続的な買いが要因と考えられる。ビットマイン（15万2300ETH）、シャープリンク・ゲーミング（3万9000ETH）、イーサマシン（15万ETH）など、ETHを大量に保有する公開企業が引き続き蓄積している。
結局のところ、米国の雇用データは悪化し、利下げ期待が高まっている。それにもかかわらず、暗号資産の価格は大幅な上昇を見せていない。
主要なアルトコインはETHを除いて比較的強い反発を示しているが、ビットコインの価格が維持できない場合、その上昇は限定的になる可能性がある。今週の市場の動向が重要である。
Sponsored Sponsored8月のCPIとPPIはBTCの上昇を引き起こすか
米国は今週、2つの重要なインフレ報告を発表する予定である。生産者物価指数（PPI）と消費者物価指数（CPI）である。
Sponsored水曜日に発表される8月のPPIは、前月比0.3%の上昇が予想されている。先月、予想を上回る0.9%のPPIが利下げ期待を冷やし、ビットコインの価格が12万ドル台から11万ドル台前半に下落した主な理由となった。
エコノミストは、CPIが前年同月比2.9%の上昇を予想している。コアCPIは3.1%の上昇が見込まれ、先月の数字からわずかに上昇する。木曜日に発表される週間失業保険申請件数も注目すべき指標である。
これらのインフレ指標が予想を大きく上回らない限り、利下げ期待はさらに強まるだろう。米国のリスク資産の上昇がビットコインとイーサリアムに必要な勢いを与える可能性がある。投資家にとって利益のある週となることを願っている。
