フランスの借入コストがイタリアを上回った。週末の暴動でフランス10年債利回りは月曜日に約4.85%まで上昇。G7で最も急激な上げ幅。
欧州で長らくリスクの高い国とされてきたイタリアの借入コストは約4.52%。フランスの家計には、すでにこの格差が住宅ローンや貯蓄、雇用に影響し始めている。
なぜフランスの借入コストは高騰しているのか
学校環境や生活費をめぐる抗議活動が週末にかけて激化し、暴動に発展した。治安当局は約2400人を逮捕したとガーディアンが報じている。
投資家はフランスとドイツの10年債利回りの格差をフランスのリスク指標とみなしている。現在、その格差は約145ベーシスポイント(1.45ポイント)に拡大。9月初旬は約85だった。
一方、フランスの財政赤字は今年5.4%に達する見通し。EUの上限は3%。
セバスティアン・ルコルニュ首相は2027年までに約540億ユーロの歳出削減が必要だが、議会の過半数を持たない。
「フランスはすでに厳しい財政状況に直面し、2027年の選挙も控えている中、週末の出来事が市場にとってさらに新たな政治リスクとなった。」
ジム・リード氏(ドイツ銀行アナリスト)
フランス株は警告を発しているか
フランスの代表的株価指数CAC40は8月の高値から約10%下落。以降の反発も下値を切り下げている。
月曜日にはサポートラインの7890ポイントを再び割り込んだ。次の下値メドは7510ポイント近辺。
銀行株が下げを主導した。BNPパリバ、クレディ・アグリコル、ソシエテ・ジェネラルはいずれも2%超下落したとテレグラフが伝える。
フランスの家計がいま確認すべきこと
- 住宅ローン。ブローカーPrettoによると、10月の20年固定平均金利は3.66%と、年初の3.17%から上昇。25万ユーロのローンで毎月約63ユーロの負担増。契約時に早めに金利を書面で確保することが有利となりうる。
- 貯蓄。非課税預金Livret Aの金利は1.70%で、ほぼインフレと同水準。収入要件を満たす場合はLEP口座で2.50%。銀行預金は1行につき10万ユーロまで保護される。
- 生命保険。アシュランス・ヴィエ(生命保険)ユーロファンドの平均利回りは2025年に2.63%。債券利回り上昇で今後もゆるやかに引き上げられる傾向。
- 雇用と小売。カルフールは修繕費1,000万ユーロ超を見込み、一部フランチャイズ従業員を一時帰休に。国の制度により、休業中は給与総額の60%が支払われる。多くの店舗保険は盗難発生から2営業日以内の届け出を求めている。
- 旅行・輸入。ユーロ相場は1.12ドル近辺と、2025年5月以来の安値圏。ドル建て旅行や輸入品は割高となる。
ムーディーズの金曜日審査は悪循環を断てるか
ムーディーズは10月23日にフランスの格付け「Aa3」を審査予定。すでに見通しはネガティブ。S&Pによる審査は11月27日。ソブリン債務当局が伝えた。
格下げとなれば、利回りはさらに上昇する可能性。これが生活費の上昇要因となり、抗議活動を誘発した構図が再び強まる恐れ。
来春に選挙を控え、国債利回りはこの不安定さが家計に及ぼす影響を映す最も鮮明な指標になりそうだ。











