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金融庁、「暗号資産・ステーブルコイン課」新設へ=デジタル資産監督体制を強化へ

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執筆&編集:
Shigeki Mori

28日 1月 2026年 08:42 JST
  • 金融庁が2026年夏に「暗号資産・ステーブルコイン課」を新設し、デジタル資産の専門監督体制を構築する
  • 2023年の改正資金決済法施行を受けてステーブルコイン市場の成長に対応し、3メガバンクの実証実験も支援する
  • 申告分離課税導入などの税制改正と連動し、制度面と組織面の両方から投資環境を整備する方針である
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金融庁は26日、暗号資産とステーブルコインを専門に扱う「暗号資産・ステーブルコイン課」を新設する方針を明らかにした。総合政策局の大規模な組織再編の一環として、今夏の実施を予定している。デジタル資産市場の急速な拡大に対応し、専門性の高い監督体制を構築する狙いだ。新設される課は既存の参事官室を格上げする形で設置され、資金決済課などと並ぶ専門部署として位置づけられる。

資産運用立国の推進に向けた組織再編

今回の組織再編では、現在の総合政策局を「資産運用・保険監督局」に改組し、監督局を「銀行・証券監督局」に名称変更する。金融庁は組織再編の背景について、資産運用立国の実現とデジタル技術を活用した金融サービスの急速な拡大への対応を挙げている。業態ごとの実態を踏まえた監督の高度化を図るとともに、デジタル資産分野における専門的な知見を集約する体制を整える。

金融庁は2025年8月に公表した令和8年度予算・機構・定員要求の中で、すでにこの方針を示していた。当初は「暗号資産・イノベーション課」の名称で要求していたが、より具体的な所管領域を反映する形で「暗号資産・ステーブルコイン課」に調整が進んだとみられる。

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日本初のステーブルコイン発行者となったJPYC代表の岡部典孝氏は「課の名称に「ステーブルコイン」が明記されたことは、同分野への注力姿勢を明確に示すもの」と語っている。

なお、新設される局や課の最終的な名称については、今後予定されている関係政令の改正を経て確定する。

ステーブルコイン市場の成長を見据えた対応

2023年6月の改正資金決済法施行により、法定通貨を裏付けとするステーブルコインが電子決済手段として定義され、国内での発行と流通が可能となった。これを受けて、金融庁は市場の健全な発展を支援する姿勢を強めている。実際、金融庁は25年11月に三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクによるステーブルコイン共同発行の実証実験を支援すると発表した。

こうした動きは、民間企業との協力を通じてデジタル決済インフラの整備を進める同庁の方針を示している。専門部署の設置により、ステーブルコイン発行体や取扱事業者に対する監督機能が強化され、市場の透明性と安全性が向上することが期待される。また、規制当局としての対応能力が向上し、市場参加者との建設的な対話も促進される見通しだ。

税制改正と連動した包括的な制度整備

今回の組織再編は、暗号資産市場における税制面の改革とも連動している。2025年12月に政府・与党が決定した2026年度税制改正大綱では、暗号資産取引への申告分離課税の導入が盛り込まれた。税率は株式と同様の一律20%となる見通しで、投資家にとってより予測可能な環境が整備される。

金融庁は同日、昨年年6月成立した改正資金決済法に基づく告示等のパブリックコメントも開始した。電子決済手段・暗号資産サービス仲介業に係る規定の整備が主な内容で、2026年内の施行に向けて準備を進めている。制度と組織の両面から体制を強化することで、同庁は暗号資産市場の透明性向上と投資家保護の実現を目指す。専門部署の設置により、国際的な規制動向への対応力も強化し、日本の暗号資産市場の競争力向上に寄与することが期待される。

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