デジタル資産企業ギャラクシー・デジタルのアレックス・ソーン調査部門責任者は、ビットコイン（BTC）が2027年末までに25万ドルへ到達する可能性があると予測した。現在水準から179%の上昇となる。
この長期予測は、ビットコインが8万9000ドル付近で推移している中で示された。昨年10月の過去最高値を大幅に下回る水準である。暗号資産市場は、価格変動の大きい4四半期に苦戦している。
Sponsoredギャラクシー・デジタルが2027年ビットコイン予測を公表
最近のX（旧Twitter）での投稿で、アレックス・ソーン氏はビットコインの成熟と機関投資家による採用が今後も加速すると説明した。ソーン氏によれば、機関投資家のアクセス拡大、金融政策の緩和、ドル資産ヘッジ需要の高まりがビットコインの地位を強化する可能性がある。
ソーン氏は、今後2年以内にビットコインが現在の金と同様、「通貨価値下落に対する広範なヘッジ」として使用される可能性があると示唆した。
「BTCは2027年末までに25万ドルに到達する」と同氏の投稿に記載されている。
さらにソーン氏はビットコインのボラティリティ特性の顕著な変化にも言及した。長期的なボラティリティは低下傾向にあり、その要因の一部としてビットコイン利回り戦略プログラムやオプションの上書き取引の拡大を挙げている。
Sponsored Sponsored「注目すべきは、BTCのボラティリティ・スマイルが6か月前とは異なり、現在はプットの方がコールよりも割高に評価されている点だ。これは、新興・成長市場に特徴的な歪みから、従来型マクロ資産で見られる市場へ移行していることを意味する」と同氏は述べている。
ソーン氏は長期的な上昇傾向予測を堅持する一方、2026年の価格予想は明言しなかった。来年にビットコインが過去最高値を更新する可能性を否定しなかったが、2026年については「予測が困難なほど混乱している」と形容した。
その理由として、マクロ経済の不透明感や政治情勢など複数の要因を挙げた。ソーン氏は次のように説明している。
「本稿執筆時点で、暗号資産市場全体はすでに深い弱気相場に突入しており、ビットコインも強気基調を確立できていない。BTCが10万〜10万5000ドルを明確に上抜けしない限り、短期的な下落リスクが残る。その他、AI設備投資の進捗、金融政策の動向、11月の米中間選挙など、広範な金融市場の不確実性も高い」と述べている。
さらに、こうした不確実性を示す指標として、オプション市場で極端な価格変動のいずれかに期待値が均等に織り込まれている現状を挙げた。
2026年6月末時点でビットコインが7万ドルか13万ドルで推移する確率がほぼ同じとなっている。また年末には5万ドルから25万ドルまでの可能性も織り込まれており、短期の価格動向には合意形成が見られない。
Sponsored Sponsored「2026年はビットコインにとって退屈な年となるかもしれないが、仮に7万ドルでも15万ドルでも、（より長期的な）強気の見通しはさらに強まっている」と同氏は指摘する。
ビットコイン、ギャラクシーデジタルの2025年目標未達の可能性
この予測は、ビットコインが2018年以来、四半期で最悪の第4四半期を記録しつつある中で示された。今四半期は21.5%下落し、年初来での損失は4.2%となっている。
本稿執筆時点で、ビットコインは8万9520ドルで取引されており、過去24時間で0.97%上昇している。
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最大の暗号資産のこうした動きによって、多くのアナリストが見通しを下方修正している。ソーン氏は、以前2025年末のビットコイン価格目標を18万5000ドルから12万ドルへ引き下げていた。
同氏は、クジラによる分散やレバレッジの解消、AI株や金への資本流入、ステーブルコイン急成長、個人投資家の関心低下など複合的な要因を理由に挙げた。ただし、ソーン氏はビットコインがこの修正後の目標にも届かない可能性を警告している。
「11月に年末価格目標を12万5000ドルに引き下げた。現時点でビットコインは8万〜9万ドルで推移しており、2025年の年末目標の達成は難しい見通し」と同氏は述べている。
このように短期的には不透明感が強いものの、専門家はビットコインに対して一貫した長期強気見通しを維持している。2026年が近づく中で、市場はBTC価格の動向を注視している。
