金はわずか10日間で6%以上急騰し、新たな過去最高値(ATH)を更新、ビットコイン(BTC)への影響を巡って激しい議論を呼んでいる。
究極の安全資産として金が強さを見せる中、アナリストはこれを暗号資産への警告とみるべきか、あるいはビットコインの次の大きな動きの前触れとみるべきかを論じている。
世界的な流動性背景で金が急騰
Sponsored金は本稿執筆時点で3,482ドルで取引され、火曜日には新たなATHである3,508ドルを記録した。

Alpha Extractによれば、今回の金の上昇は孤立した現象ではない。アナリストは繰り返し現れる市場パターンを指摘する。
世界の流動性が上昇している。このサイクルでは、金が上昇を始めるとビットコインはしばしば統合し、その逆もまた然りだ
金を押し上げている要因として、連邦準備制度(Fed)の独立性に対する懸念、財政政策リスク、さらに世界市場での30年債利回りの上昇が挙げられる。
Fedが利下げを控える中で、インフレ率が2%目標を上回っているため、金融システム全体に圧力がかかっている。
Sponsored SponsoredAlpha Extractは、先週の世界の流動性が0.13兆ドル増加し、+0.09%の上昇を示したと指摘、これがリスク資産の主な推進力だと述べた。
短期的なモメンタム指標の一部は弱さを示すが、アナリストはまだ天井には達していないと主張する。
一方で、中期モデルはネガティブに転じており、注意を要する。反転モデルは売られ過ぎ水準に近づいており、リスクテイクの転換点を示唆している。
岐路に立つビットコイン:金の補完か競争相手か
ビットコイン投資家にとって重要なのは、金の上昇が暗号資産にとって追い風となるのか、それとも逆風となるのかである。両者の関係は単純ではない。
マクロアナリストのMartypartyは、金と世界の流動性が現在のサイクルでリーダーシップを握っていると指摘した。
金と世界の流動性が先導し、ビットコインがそれに続く
—— Martyparty
歴史が繰り返されるなら、金の上昇が安定した後にビットコインが恩恵を受ける可能性がある。アナリストのMacroScopeもこの見方を支持しており、今年初めに金が3,400〜3,500ドルに急騰した際、ビットコインは一時急落したものの、その後新たな高値に向けて上抜けしたと指摘している。
金はこのビットコインの調整が終わったら、ビットコインを長期保有するように叫んでいる
—— MacroScope
一方で、金のブレイクアウトをビットコインにとってマイナスとみる声もある。長年の暗号資産批判者ピーター・シフは、金の上昇はビットコインの犠牲の上に成り立っていると主張した。
Sponsored Sponsoredこれは興味深い。金は現在30ドル近く上昇し3,480ドルに達しようとしている。銀も70セント以上上昇し40.50ドルに達しようとしている。一方、ビットコインは108,000ドルを下回り、さらに下落する可能性がある。金と銀のブレイクアウトはビットコインにとって極めて弱気だ
—— Peter Schiff
シフの見解は、金とビットコインを補完的なヘッジとみるか、それとも安全資産の資金流入を巡る競争相手とみるか、アナリストの間で評価が分かれることを示している。
さらに、元コインベース幹部バラジ・スリニヴァサンは、ドルの世界準備通貨シェアが42%に低下し、金が引き続き上昇している点を指摘。この変化が金の上昇を支えており、ビットコインがその後に続く可能性を示している。
Sponsored金のブレイクアウトは、市場で長く続いてきた議論を再燃させている。すなわち、金とビットコインは逆相関で動くのか、それとも調和して動くのかという点である。
世界の流動性が拡大し、財政リスクが高まり、ドルの支配力が低下するなか、両資産は変化する金融秩序においてより大きな役割を担うことが予想される。