起業家のイーロン・マスク氏は22日、7月に設立したAI企業「xAI」が来週より同社初となる生成系AI「Grok」の提供を開始すると明かした。同社は4日、「Grok」を発表したばかり。
GrokはSFシリーズ「銀河ヒッチハイクガイド」にならって開発されたAIで、ユーモアを交えて質問に答えるよう設計された。同社はGrokは反骨精神を持っているため、ユーモアが苦手な方は使用を控えて欲しいとしている。Grokは2カ月のトレーニングを行った独自AIモデル「Grok-1」により稼働する。GrokはXプラットフォームを通じた最新の全世界的な情報アクセス能力を持つ。
Grok-1では複数のベンチマークでGPT-4nには劣るものの、ChatGPT-3.5やInflection-1を上回る強い結果を示した。ハンガリー国立高校数学試験の成績(同社による自己採点)では、GrokはC評価(59%)と合格点を獲得。Claude-2(55%)との比較では僅かながら上回っている。
アプリケーションリサーチャーのニマ・オウジ氏は、GrokがXのウェブアプリへの追加を示すスクリーンショットを共有し、そのURLがtwitter.com/i/grokになると指摘した。
Grokは16ドルの課金ユーザーにのみ提供される
Xは10月にプレミアムサービスを3つの階層に分割した。広告削除がない月額3ドルの基本プラン、次に既存の月額8ドルのXプレミアムプラン、「For You」と「Following」フィードの全広告を削除し、Creator Hubを提供する月額16ドルのプレミアムプランからなる。Grokはこの16ドルプランユーザーにのみ提供される。ChatGPTの有料サービスChatGPT Plusは月額20ドルだ。地域ごとの使用制限に関しては明らかになっていない。
10月の報道によれば、Xは24年末に金融サービスを開始する。マスク氏は従業員との電話会議で金融プラットフォーム上でのサービス内容に関し、「お金、証券、何でも当社のプラットフォーム上で取り扱われる。銀行口座は必要なくなるだろう」と述べた。実装される金融プラットフォームでは「世界中に瞬時にリアルタイムでお金を送るサービス」を目指しているという。Xは現在、金融送金ライセンスの取得に取り組んでいる。
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