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羽田空港でUSDC決済の実証実験開始へ=QRコード活用しインバウンド対応

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執筆&編集:
Shigeki Mori

24日 12月 2025年 08:36 JST
  • ネットスターズが羽田空港第3ターミナルで米ドル建てステーブルコインUSDCによる店舗決済の実証実験を近日開始。国内初の試みで、QRコードを活用した決済手段を提供する。
  • USDCは時価総額約560億ドルで世界第2位のステーブルコイン。透明性と規制順守を重視し、米国四大会計事務所による月次監査を実施。国内ではSBI VCトレードが2025年3月に取り扱い開始。
  • GENIUS法の成立により米国での決済利用が倍増。海外ではアブダビ国際空港が2025年10月にステーブルコイン決済の試験導入を表明。成田・関西国際空港では類似サービス未確認。
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決済ゲートウェイ事業を手がけるネットスターズは23日、羽田空港第3ターミナル内の店舗で米ドル建てステーブルコイン「USDC」による支払いを受け入れるサービス実証を近日中にも開始すると発表した。同社によると、店舗決済でのUSDC取り扱いは国内初の試みとなる。

訪日外国人旅行者の増加に伴い、多様な決済手段への対応が求められる中、ブロックチェーン技術を活用したデジタル決済の実用化が注目を集めている。USDCは2025年3月からSBI VCトレードで国内取引が可能となっており、日本市場での認知度が高まりつつある。

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決済ゲートウェイとQRコードの活用

ネットスターズは既存の決済ゲートウェイサービス「StarPay」にUSDCを追加する形でサービスを提供する。利用者は店舗決済用のQRコードを表示し、店舗側がこれを読み取ることで決済が完了する仕組みだ。このQRコードは提携先のWEA JAPAN社が開発したもので、利用者が自身で管理するステーブルコインを使用できる。

加盟店側は既存のStarPayと同様の操作で、QRコードの読み取りから売上精算までを行うことが可能となる。同社は10年以上にわたり決済サービス事業者と店舗をつなぐゲートウェイ事業を展開してきた実績を持ち、特にQRコード決済サービスへの接続に強みを有している。

USDCは米国の法令に準拠して発行される代表的なステーブルコインであり、2025年に入ってから市場シェアが約25%まで成長している。日本政府観光局の統計によると、2025年11月の訪日外国人旅行者数は前年同月比10.4%増の351万8000人を記録し、1月から11月までの累計は3906万5600人に達するなど、訪日外国人が多く利用する空の玄関口として機能している。

USDCの採用背景と市場特性

グローバル市場においてステーブルコインは、市場規模約70%を占めるUSDTと、約20%のシェアを持つUSDCの二強体制が続いている。USDTの時価総額は約1400億ドルに対し、USDCは約560億ドルで第2位の地位を確立した。今回の実証実験でUSDCが選定された背景には、透明性と規制順守の姿勢がある。USDCは現金および短期米国債で100%裏付けられ、米国4大会計事務所による月次監査レポートが公開される。一方、USDTは準備資産の内訳開示が長らく限定的であったため信頼性への懸念が指摘されてきた経緯がある。

国内においてUSDCは、2025年3月にSBI VCトレードが電子決済手段等取引業者として国内初の登録を完了し、一般向けサービスを開始した。資金決済法の改正により、海外発行ステーブルコインは1回あたり100万円相当額までの移転制限が課されているものの、訪日外国人の空港内消費における利便性向上が期待される。海外ではアブダビ国際空港が2025年10月にステーブルコインおよび暗号資産決済の試験導入に関する覚書を締結しており、空港におけるデジタル決済の導入事例として注目される。

2025年7月に米国で成立したGENIUS法は、ステーブルコインの連邦規制枠組みを初めて確立し、市場の法的安定性を高めた。これにより決済利用が加速する見通しで、調査会社アルテミスによれば、法案成立後の2025年8月の決済利用額は100億ドルを超え、前年同月比で倍増した。こうした法整備の進展と市場インフラの成熟が、空港という国際的な場でのステーブルコイン決済実証を後押ししている。

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