東京に拠点を置くブロックチェーン企業HashPortは28日、企業向けステーブルコイン決済サービス「HashPort Wallet for Biz」の提供を開始した。同サービスは決済手数料・月額利用料・登録料をゼロとし、利用者側もガス代負担なしで決済できる仕組みを採用している。キャッシュレス決済推進における店舗側手数料の課題解決を目指す取り組みとして注目される。
ステーブルコイン決済の手数料障壁を解消
HashPortが提供開始した「HashPort Wallet for Biz」は、同社のノンカストディアルウォレットアプリ「HashPort Wallet」の新機能「ビジネスウォレット」に登録することで利用可能となる。企業側は決済手数料、月額利用料、登録料のいずれも不要で導入でき、利用者が同ウォレットを使用した場合はネットワーク手数料(ガス代)をHashPort側が負担する。
Sponsored同社は2025年大阪・関西万博で「EXPO2025デジタルウォレット」を提供した経験から、店舗側手数料が国内キャッシュレス推進の大きな障壁になっていると指摘する。公益社団法人2025年日本国際博覧会協会の調査報告書においても、この課題が明らかになっている。HashPortは双方が手数料ゼロで利用できる仕組みにより、キャッシュレス決済の拡大とインバウンド決済の顧客体験向上を実現できると位置付けている。
EIP-7702対応でガスレス決済を実現
技術面では、1月28日よりHashPort Walletの各チェーンウォレットについてEIP-7702対応によるスマートウォレット化を実施した。対応チェーンはイーサリアム、Polygon、BNB Chain、Avalanche、Arbitrumなどとなっている。
このスマートウォレット化により、導入店舗での決済、ウォレットユーザー間送金、アプリ内接続する外部DeFiサービス利用など、指定された特定の利用方法においてガスレス化を実現した。同社によれば、ウォレットアプリのダウンロード数は100万件を超えている。
クロスチェーン機能の追加も予定
HashPortは年内を目処に、複数チェーンで支払われたステーブルコインを単一チェーンのステーブルコインに変換する「クロスチェーン転送プロトコルアグリゲーション」機能の追加を予定している。この機能により、企業はステーブルコイン受領時のチェーンを意識することなく、受け取ったステーブルコインが国内電子決済手段等取引業者の対応チェーンに自動変換されるため、換金時の利便性向上が見込まれる。
世界的に暗号資産・ステーブルコイン決済の規模は拡大傾向にあり、ステーブルコイン決済の受け入れはインバウンド利用者への決済体験改善につながると期待される。
HashPortは2018年設立で、国内の金融機関や事業会社、公共機関に対してブロックチェーンウォレットをはじめとするプロダクト開発サービスを提供している。同社は2025年11月に、ナッジと共同で日本初のステーブルコイン決済・還元対応クレジットカード「HashPortカード」を発行開始しており、ステーブルコイン決済インフラの構築を多角的に進めている。