HBARの価格は12日、横ばいとなった。過去1か月で約29%急落した後の動きで、1週間でも約6%下落を続ける。トレンドは弱いが、背景はより複雑。個人投資家の需要は低調だが、クジラは過去2日間で大幅に買い増した。
弱さと買い集めが混在する状況は、価格動向が弱々しく見える一方で、底打ちの兆しも感じさせる。
Sponsored需要減退と大口の買い集め交錯か
HBARは現在も下降ウェッジ内で推移。ウェッジは通常、売り圧力が徐々に弱まることを示唆する上昇傾向のパターンである。しかし、このウェッジ内部でより弱い動きが現れた。12月7日から11日の間、HBARの価格は高値を切り上げた一方、OBV(オンバランスボリューム)は安値を切り下げた。
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OBVは資金流入出を測る累積出来高指標。価格が高値を切り上げてもOBVが下がる場合、買い方の力が十分でなく反発が弱いことになる。これにより、上昇傾向パターン内でも弱気なダイバージェンスが生まれる。
一方で、クジラの動きは大きく異なる。少なくとも1000万HBARを保有するアカウント数は136.54から149.49に増加。1億HBAR以上のアカウントは40.65から73.62まで増加。最低保有基準のみを基にすると、過去48時間以内にクジラが約34億2000万HBARを買い増した。この保有量は現在価格で少なくとも4億4500万ドルに相当。
Sponsored SponsoredOBVは取引所上の出来高だけを追跡。大口の店頭取引やカストディ移動などは反映されないため、クジラの活動の一部を捉えきれず、個人投資家の動向把握に向く。
こうした状況の食い違いが、次の節の焦点となる。クジラはより深いシグナルに反応している可能性が高い。
Sponsored Sponsoredクジラが注視する繰り返される指標
10月17日から12月11日にかけて、価格は安値を切り下げたが、RSI(相対力指数)は安値を切り上げた。RSIは売買スピードを示す指標。価格下落とRSI上昇が同時に起きるとき、標準的な強気ダイバージェンスが形成される。このダイバージェンスはトレンド転換と関連する。
同じダイバージェンスは過去の反発前にも現れた。12月1日と7日にこのパターンが発生し、HBARは直近安値から15%・12%上昇。それぞれの上昇はレジスタンスで伸び悩んだが、今回はクジラの大量買い集めも重なっている。この組み合わせにより、今回の反転試みはウェッジ内で過去より意味が大きい。
過去の反発を阻んだ上値抵抗を突破すれば、このダイバージェンスが全体構造を弱気から強気へ転換させる可能性。クジラもそのシナリオに備えていると見られる。
SponsoredHBARの重要な価格水準
HBAR価格は日足で0.159ドルを上抜けて終える必要がある。この水準はこれまでの反発では超えられなかった。上抜ければウェッジの上側トレンドラインも突破し、0.198ドルや0.219ドルへの上昇余地が生まれる。
一方で、価格が再び弱含めば0.122ドルが注目水準。このラインを割るとHBARはウェッジ下限に戻る。下限は2点しか触れておらず、支持は薄い。ここを割ると回復は後退し、市場の主導権は依然として売り方にあると示される。
現時点でOBVは需要の弱さ、RSIは強気なシグナル、そしてクジラは安値圏で約34億2000万HBARを買い集めている。HBARが0.159ドルを上抜ければ、クジラの買い集めは背景事情ではなく主な追い風に転じる。